過去ログ - 猫耳パーカーとフーセンガム
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/18(水) 12:30:58.25 ID:OIe+ZWtGo
あ、もうこんな時間か

河の色がほのかな紅色に変化したのを見て、僕はそう呟く。
少女と共にいると、時間が進むのが早くて仕方ない。
僕は猫じゃらしをしまうと、膝上の猫を持ち上げ地面に降ろす。

「ナーゴナーゴ」

猫が名残惜しそうにじたばたとしたが、ずっとここにいるわけにはいかない。
少女も少し不満げにこちらを見ていたのが僕の後ろ髪を引くが、名残惜しいのは僕も同じだ。
というか聞いていなかったが、少女は普段どこにいるのだろう?

ねぇ、キミって……どの辺りに住んでるの?

「……」

僕の質問に、少女が押し黙る。
少し困ったような、戸惑いを帯びた視線が僕の視線と重なる。
完全に虚を付かれる形で、そんな僕と少女の視線の間に黒い影。
その影が僕の顔に覆いかぶさり、シャッと僕の額に一文字が作られた。
初めてだった。
猫が少女の指示ではなく、自発的に飛びかかってきたのは。

……逃げられた、か

額の血を拭い、僕は夕焼けを見上げる。
まだ少し、踏み込むには早かったようだ。


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