29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/18(水) 17:59:15.10 ID:OIe+ZWtGo
 河川敷は大分河に侵攻されていたが、まだ何とか通ることは可能なレベルであり、猫がいたとしてもおかしくない。 
 少女が臆することなく河川敷を降りていったので、僕も少し遅れて少女を追う。 
  
 「猫ーっ!どこにいるんだ、猫ーっ!!」 
  
 そうらやあの猫、名前らしい名前を付けられていなかったらしい。 
 この子らしいと言えばこの子らしいのだが、こういう場合少々不便だ。 
 などと冷静に考えている場合でもなく 
  
 猫ー!どこだーっ! 
  
 僕も少女に習い、猫の名を呼ぶ。 
 雨音にかき消されないように、お腹の底から声を張り上げる。 
 そんな僕らをあざ笑うように雨は勢いを増し、河川敷もどんどん危険度を増していく。 
 そろそろ少女を無理にでも連れ帰ろうかと思案していた所で 
  
 「ニャウーン」 
  
 か細い声が、確かに聞こえた。 
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