10: ◆cua46o7hQE[saga]
2014/06/18(水) 22:33:46.15 ID:i7suYOjAO
智葉「で、だ」
久「?」
こほん、と智葉は喉を鳴らし態度を改める。
智葉「大金を拾った。それはいい。……が、これを久はどうしたいんだ? まさか使ってしまおうだなんて思ってないだろうな」
そして鋭く細められた眼で、訝しげに睨み付けられた。
智葉「落とした人は間違いなく困っているだろうな。持っているだけで危険に晒される可能性がある。綺麗な金だという保証もない。警察に届けるべきだ」
そうだろう? と智葉は淡々と告げながら私に肯定を促そうとしてくる。
確かに、彼女の言うことは正しい。
しかし私はこの札束を手放したくないと感じていた。
久「使うというのは論外だけど……警察に届けるというのは反対だわ」
それは物欲による金惜しさでは決して無く、悪待ちで鍛えた第六感が囁くのは出逢いの予感。
私は、この札束の入った封筒を私が拾ったということに縁を感じる。
智葉「は?」
白望「なんで?」
表情を一層しかめる智葉と、きょとんとただ純粋に疑問を漏らすだけの白望。
2人を説得する方法を模索する為に、私の都合の良い脳みそはこんな時だけ光の速さで回転した。
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