291: ◆cua46o7hQE[saga]
2015/03/18(水) 22:14:13.03 ID:EoCfn+GAO
よく見れば、ネリーの体は埃を被り薄汚れていた。
それに気付けば、ネリーがサキの為に尽力した事は瞭然の理で、彼女の事を疑ってしまった己が恥ずかしい。
智葉「ありがとう」
だからこそ、私はサキの為ではない言葉を紡ぐ。
智葉「それを見付けてくれた事もそうだが、何よりも本音をぶつけてくれた事が、私は嬉しい」
嘘偽りなく裸の心で。
智葉「でも、それを見つけなくとも、それをサキに渡さずとも……ネリー、御前は私の大事な人だよ」
ネリー「……本当に?」
親に叱られる前の子供のように、ネリーは恐る恐る視線を送る。
私は影に隠れるサキの背中をそっと押して、ネリーの前に立たせた。
智葉「ああ、だから私はこれ以上関与しない。ネリーの好きにすると良い……が、その前に少しだけサキの言葉を聞いてやってくれないか?」
サキは振り返り、私と顔を見合わせる。
その表情に迷いや困惑はなく、どうやら私が教えずともやるべきことを理解しているようだ。
サキ「……サトハさん、シロ」
智葉「行ってこい」
白望「頑張れ、サキ」
意志を決めたサキへ、私達は二人分のガッツポーズでエールを送った。
サキ「……うん!」
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