43: ◆cua46o7hQE[saga]
2014/06/22(日) 22:22:06.53 ID:ZfUIx1mAO
久「ふぅ……」
なんとか間に合った。
一息吐き、トイレの横の壁に寄りかかる。
サキ「あの、めいわくかけてごめんなさい……」
扉の向こうから聴こえたサキの声は、顔を見なくても恐がっているのが分かるほど震えている。
久「謝らないで良いのよ。子どもは大人に迷惑をかけるのが仕事なんだから」
サキ「でも」
久「でも……?」
サキ「……」
それからサキは黙りこくってしまった。
何か悪いことをしてしまったのか不安になる。
何を話せば良いのだろう。彼女のこと、何処から聞けば良いのだろう。
考えれば考えるほど深みに嵌り、どう接すれば良いのか分からなくなる。
そんな風に途方に暮れているとキッチンの方から白望が現れた。
白望「久、おはよう」
久「ええおはようシr……!?、!!?」
白望「そんなに驚かなくても」
フライパンを片手に、エプロンをぶら下げた白望を見て呆然とする。
1人で起きてくるのだって奇跡としか言い様がないのに、その上朝食まで作っているなんて今日地球が滅亡すると言われても私は信じる。
白望「だって久はサキのお世話しなきゃだし、智葉は夜遅く出てったみたいだから」
久「そうだったの……ありがとう。って智葉いないの?」
あんな偉そうなこと言ってたのに自分だけ逃げたのかとも疑ったが、智葉のことだからそれは有り得ないとすぐに思い直す。
しかし、ということは。
智葉がいない中、私と白望だけでサキとのこれからを話し合わないといけないのか。
白望「? ……どうしたの?」
その悩みのなさそうな白望の瞳が、今日はやけに頼り甲斐が有るように見えた。
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