過去ログ - 咲「人にやさしく」
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45: ◆cua46o7hQE[saga]
2014/06/22(日) 22:46:57.56 ID:ZfUIx1mAO

 それでも、伝えておかなきゃならないこともある。

久「サキ」

サキ「は、はい……」

久「今日から私達は家族だから、言いたいことがあったら何でも言ってね」

 そう告げると、またサキは俯いてしまった。
 どうすればこの子の笑顔が見られるのだろう。
 そのことで頭が一杯になって、思うように箸が進まない。



久「ご馳走さま」

サキ「ごちそうさまでした」

白望「お粗末さま」

 結局、サキは朝食を半分以上残してしまった。

白望「サキ、美味しくなかった……?」

 白望は見るからに残念なオーラを纏いながらサキに尋ねる。
 それをサキは、首を左右に振って否定する。

白望「じゃあ、お腹いっぱい?」

 今度は何度も頷いて肯定した。

白望「そっか。じゃあ今度はちょっと量に気をつけてみる」

サキ「ごめんなさい……」

 そして、サキはまた謝る。
 もしかしてあまり良くない家庭環境で育ったのだろうか。

久「大丈夫よ。サキ、誰も貴女を怒らないわ」

 兎に角、進めるべきことを進めなければ。
 食器をひとまとめにして広くなったテーブルの上に、ペンと紙を置く。

久「まず、サキがここで暮らす上で必要な物を書き出しましょうか」

白望「はい。とりあえず衣類一式と食器一式、寝具一式、あと歯ブラシとか」

 殆ど言われてしまった。
 というかそれ以外に何か必要な物ってあるのだろうか。

久「サキは何か欲しいものってある?」

白望「なんでもいいよ。……お菓子とか、玩具でも」

サキ「……」

 試しに聞いてみたものの、やはりサキは無言のまま押し黙ってしまう。

久「シロ、掃除と洗濯を済ませたら買い物ついでに3人で散歩に行きましょ」

白望「うん。気分転換には良いかもしれない」

久「サキもそれで良い?」

 サキは、一度だけ小さく頷いた。



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