51:32ba656b73[saga]
2014/06/26(木) 22:33:20.02 ID:TSRozWSAO
白望と私でサキを左右から手を握り、過度に魚を詰めた水槽のような街中を歩いていく。
見上げれば鈍色が支配する曇天の空模様。
今日は風の流れが速く、形を変え、千切れながら蠢く雲の動きはまるで街の様子を鏡で映しているようだった。
久「サキ、寒くない?」
尋ねれば、サキはふるふると力強く首を振り、大丈夫だと精一杯主張する。
久「そう……何かあったら言ってね?」
そう囁くように告げながら目線を合わせようと膝を屈めるも、サキは一向に顔を背けてしまった。
「あら、お嬢ちゃん達。いつから子連れになったんだい?」
声に誘われ顔を上げれば、進行方向先から老年の女性がこちらへ歩いてきていた。
白望「……トシさん。こんにちは」
久「こんにちは、トシさん」
熊倉トシさん。
私達が学生の頃、色々とお世話になった謎の人物。その頃は教師、現在警視庁捜査二課課長。
晴絵とも長い付き合いらしい。
トシ「やあ白望、久も。相変わらずで何よりだ」
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