過去ログ - モバP「たった一人の理解者」
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2:オーンスタイン ◆gijfEeWFo6[saga]
2014/06/19(木) 02:33:59.03 ID:7j0P74py0

「誰が、誰を探してるって?」

「そなたが、わたくしを探していたのでしょうー?」

 就職活動中に偶然であった社長にスカウトされてアイドルを養成するCGプロダクションに所属したのはいいが、肝心のアイドルがおらず俺だけ手持ち無沙汰な状態だ。

 だからといって進んでスカウトをする気にはなれなかったが、アイドルを探していたとは言えるだろう。目の前の少女は誰だか分からないし、探していたわけでもないが。

 なんて返したらいいか分からず、黙りこくっていると、彼女が唐突に俺の左手をとった。

「わたくしがー、そなたの望むアイドルとやらになりましょうー」

 どうして彼女は、俺がプロデューサーで、アイドルを探していることが分かったのだろうか。

 俺には彼女が何を考えているのか、読み取れなかった。何かを覆いつくす壁のようなものに阻まれたからだ。
 だが、これで確信した。少女の不可解な言動にも納得が行く。

「俺は……君がよく分からない……こんなこと、初めてだ」

 ――自分以外の超能力者に出会ったのは、これが初めてだ。彼女は間違いなく常人ではない。
   


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