33:オーンスタイン ◆gijfEeWFo6
2014/07/23(水) 02:51:43.41 ID:nqQDmX8+0
「これが、わたくしの……」
「一緒にがんばろう。これが最初の一歩だ」
芳乃は小さく笑顔を浮かべて、頷いた。だが、やはり彼女の表情は硬い。
『わたくしは、本当に変われるのでしょうかー?』
突如聞こえてくる、芳乃の声。目の前に佇む彼女は口を開いてはいない。
つまり、今聞こえたのは芳乃の心の声だ。
同時に、迷い、悲しみ、期待、様々な感情が俺の頭の中へと流れ込んでくる。
「芳乃……?」
「……ふふふっ。油断してしまいましたねー、どうかお気になさらずにー」
芳乃は一体何に迷って、何に悲しんで、何に期待している?
心を読めても、無駄に燻るだけだった。結局、何も分からなかったのだから。
いつか、心を開いてくれるかもしれない。
今はただ、その時を待つしかないのか。
俺は俯き、芳乃は小さく微笑を浮かべた。
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