66: ◆gijfEeWFo6[saga]
2014/12/21(日) 02:27:51.87 ID:LJ3GPEdto
その後、芳乃は無事に仕事を終わらせた。ちょっとぎこちない所もあったが、概ね好評だ。
芳乃に和服は非常に似合うが、今回のような清楚系の洋服も似合っていた。
結局、素材がよければ何でも似合うのかもしれない。
「また仕事を頼みたいだってさ。よかったな、芳乃」
「わたくしは何もしていないのでしてー。全てそなたのお陰なのですー」
アイドルとしての素質は間違いなくある。
あれだけの大衆に囲まれ、能力のせいで精神的な負担は恐ろしいものだったろうに、芳乃は涼しい顔をして全てを成し遂げた。
だが、このままでいいのだろうか。
アイドルとして生きる以上、ファンと接する機会も設けなければいけない。そうなれば当然今日のような出来事も起きるだろう。
彼女は慣れているから平気だと言う。
だからと言って、危険な場所に送るのはいい事だとは思えない。
俺は芳乃を知らない。彼女がどれほど強いのかも、当然知らない。
だからこそ、慣れているからと危険な環境に送り込むようなことはしたくなかった。
気がつけば、一日中、芳乃のことで頭を悩ませてばかりだった。芳乃が隣にいても、芳乃のことを考えてしまう。
俺の存在が既に、精神的な負担を芳乃に与えてしまっているかもしれなかった。それぐらい、彼女のことを考えている。
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