過去ログ - 夏目漱石「聖杯戦争？」 -SS速報VIP

過去ログ - 夏目漱石「聖杯戦争？」

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315: ◆kW/TrkkVS2
2014/06/27(金) 00:11:38.47 ID:AaSx+i3K0
少女がいささか間の抜けた言葉を放ったのはその時であった。

「え、魔術師？どうして人殺しなんかを」

漱石は憮然として訂正する。

以下略

316: ◆kW/TrkkVS2
2014/06/27(金) 00:33:03.28 ID:AaSx+i3K0
その後、漱石と少女は先程のファミレスに来ていた。身なりの良いいおじさんと高校生に見える少女という組み合わせは、いささか犯罪の臭いを漂わせるものであったが、幸い夜だというのに店はすいていて誰も咎めるものは居なかった。
漱石が安いコーンポタージュを旨そうに啜りながら話を聞いていると、漱石の目の前にいる、これまた安いコンソメスープを涙を流してすすっている少女は複雑な経歴を持っていることがわかった。涙を流すほどひもじかったらしい。
彼女は弓塚さつきと名乗った。なんと吸血鬼らしい。漱石はこれまで色々な人外のものと出会ってきたが、吸血鬼ははじめてである。どうやら少し前に起こった事件と深い関わりを持っているらしい。
話はこうだ。ひょんなことから、ここ三咲町に吸血鬼が襲来し、さつきを吸血鬼にしたりした。だが、さつきは運よく人を殺さずに吸血鬼への移行を済ませ、現在は仲間と共に路地裏同盟なる組織を結成して、タタリの影響で魑魅魍魎、主に殺人鬼や死徒が跋扈する三咲町の路地裏の平和を守っているらしい。漱石はさつきの高潔な活動に感心していた。
しかし、同時に、彼女の言葉のあちこちから、漱石は切なさを感じ取った。

以下略

317: ◆kW/TrkkVS2
2014/06/27(金) 00:53:32.61 ID:AaSx+i3K0
漱石はその後さつきと別れ、ホテルに一晩泊まって翌日に三咲町を出発した。そして、21世紀の花の東京を見聞してそのスケールに驚いたり、東京タワーを見上げてその高さに驚いたりして、三日の関東遊学の末再び冬木に帰ってきた。
漱石は翌日には漱石山房で旅の出来事をちょっとした文にまとめていた。まとめている途中でふとさつきのことを思い出した。そしてもし、彼女の切なさの中心に一人の男性の存在を仮定したらどうだろうか、漱石はそう考えを巡らす。
恐らくさつきと彼の関係は断ち切られてしまったのだろう。しかし、彼女はなお町を守り続ける。
彼が安心して明かりの下を歩けるように、さつきは暗闇で彼を守っている。

以下略

318:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/27(金) 01:15:30.14 ID:zFjutacqO
先生は鋭いなぁ

319:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/27(金) 07:31:45.40 ID:mxtSNpNDO
乙でやす

320:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/27(金) 07:32:06.34 ID:HujJCGNAO
乙！

321:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/27(金) 07:43:06.12 ID:A3wCFteDO
まあ、年頃の女の子と恋は切り離せないだろうし。
先生が書くなり予測する志貴は凡人だろうな。

322:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/27(金) 12:35:38.50 ID:PG2ilwsAO
現実は小説より奇なりって奴か

323: ◆kW/TrkkVS2
2014/06/27(金) 13:36:41.86 ID:7tzI1rjpO
今夜は漱石先生と言峰親子の話をやりまする
安価とったのに遅れてしまって申し訳ない
次作の構想は纏まりました

324:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/27(金) 13:38:54.61 ID:FwQkAnNCO
今夜ですか、期待

遠野の方の志貴は、人格的には普通の青年だしな…

325: ◆kW/TrkkVS2
2014/06/27(金) 14:27:52.45 ID:AaSx+i3K0
新作予告

「ああ、良い気持ちだ。とても、良い気持ちだ」

以下略

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