11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/20(金) 18:43:37.59 ID:aUpPVcxlO
「はちくじいいいいいいいい!」
「暦ちゃんまってー!」
腹の底から叫ぶと共に、全力で駆け出した。
100メートル走で十秒を切るんじゃないかと思われる速度で八九寺に向かう。
なぜか諸星も一緒だ。
近づくにつれ流石に八九寺も気付いたらしく、こちらを見て驚愕の表情を浮かべ僕の進行と同方向に走り出した。
「待て八九寺! なんで逃げるんだ!」
「ご自分の胸に聞いてくださいよ!」
八九寺の胸に直接耳を当てて聞いてみたいところだったが、走りながら思索を走らせる。
なるほど、これはあれだ。
お花畑とかでよくやる『捕まえてごらんなさい』的な追いかけっこだな。
「このやろう、そんなに僕に会えたことが嬉しいのか! ういやつめ!」
「どこをどう考えればそんなに前向きになれるんですか!」
「あはは、あはははは、まてまてぇー、こいつぅー」
「いやぁ――――――っ!!」
八九寺は八九寺で必死だ。
トレードマークのひとつであるリュックサックを放り出してまで逃走に全力を傾けている。
だが所詮は成人男性と女子小学生。
歩幅の違いだけはどうしようもない。
その距離は目に見える形で徐々に近付いていた。
「ほらほら、捕まえちゃうぞー」
「だれかっ、たっ、たすけっ、たすけてくださーい! 変なお兄さんが追いかけてきますー!」
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