過去ログ - 阿良々木暦「きらりホッパー」
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23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/20(金) 19:07:36.98 ID:aUpPVcxlO

「……ああ」

助ける術はある。
あることにはあるが、それは難しいと言わざるを得ない。

砌螽斯は、距離感が掴めない人間に取り憑くと言われている。
距離感が掴めないが故に、やがて上空へと昇るのだ、と古い手記にはあった。
砌螽斯の縛りを解くには、その距離を外部から明確にする。
すなわち距離感が掴めない他人に、自分との関係を明言されることが条件となる。

人と人との距離感。
それは誰もが持ち得る感覚だろう。
家族の中ですらそれは存在する。
僕が両親に対しての対応と火憐ちゃん月火ちゃんに対しての対応が違うのと同じだ。
恋人、友人、同僚、上司、赤の他人……友人を取ってみても親しさに差分があるように、それこそ関係の数だけ距離は産まれる。
誰に対しても対等な距離で接することの出来る人間など居はしまい。
諸星は例え誰が相手でもそのスタンスを崩すことは僕の見る限りなかったが、やはり何処かで線を引いていたということになる。

諸星……お前は誰と、何を測りかねているんだ?

「諸星、僕の質問に答えてくれ。最近気になる人とか出来たか?」

「歯に衣着せぬにも程がありますよ阿良々木さん……」

八九寺の言う通りあまりにもストレートすぎるが仕方あるまい。
諸星の年齢で複雑な人間関係を疑うのなら、真っ先に挙がるのが色恋沙汰だ。
諸星だってあんな性格ではあるが正真正銘、箸が転げても面白い年頃の女の子だしな。

「気になる……? きらりはみんな好きだよ?」

「いや、そういうことじゃなくて」

「うーん……じゃあ、暦ちゃんかな?」

「僕!?」

衝撃の事実!
諸星が僕のことをそんな風に思っていたなんて!
アイドルとプロデューサー禁断の恋!

「いやあ、もてる男は辛いなあ、なあ八九寺?」

「うわ、うざっ……」

「よく会う男の人、暦ちゃんだけだしねー」

喜色満面で八九寺に同意を求めるも、ものすごい表情で一刀のもと両断された。

わかってるよそんなこと。
ちょっとくらい夢を見せてくれたっていいじゃないか。



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