過去ログ - P「律子の淹れるコーヒーはすげー苦い」
1- 20
38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/23(月) 10:25:39.44 ID:7b2UHG2Go
 俺は携帯電話をポケットに入れて、少し遠回りの道を歩いた。靴に雨が染み始めた。

 ふと、律子へのプレゼントに時計を買おうと思い立った。ちょっと高い腕時計を。

 俺と律子の間の空洞を、秒針が細かく切り刻んでくれればいい。

 なぜだか悲しげにぐるぐる回る頭と一緒に、道の途中の時計屋に俺は入った。
 入口の傘立てに傘を置いて、店内を見渡した。大きくはない店だった。
店員が二人きり居るだけの静かな空間にチクタクと時計の音が鳴っている。不思議と愉快だった。

 時計、時計、時計。時計屋なのだから、時計がたくさんあるのは当たり前だ。
どの時計も違う音を、表情を、魂を持っていた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
102Res/41.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice