2: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/23(月) 23:50:46.11 ID:ER4Gwd+AO
P「なぁ、貴音」
貴音「なんでしょう、あなた様」
貴音「何か、話を聞かせてくれよ」
3: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/23(月) 23:52:04.37 ID:ER4Gwd+AO
貴音「むかしむかし。それこそ、何百年と昔のお話です」
貴音「とある海辺の村に、一人の漁師が住んでおりました」
貴音「漁師には、娘がおりました」
4: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/23(月) 23:53:05.28 ID:ER4Gwd+AO
P「…」
貴音「ある日、その村の、別の漁師が珍しい魚を捕ったという事で、それを食してみようという事になり、村の大人たちが宴会を開いたのだそうです」
P「魚かぁ。俺は、煮魚がいいなぁ。カレイの煮付けなんか、冷酒によく合うんだ」
5: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/23(月) 23:53:35.08 ID:ER4Gwd+AO
貴音「その、『珍しい魚』」
6: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/23(月) 23:54:59.17 ID:ER4Gwd+AO
貴音「その姿は、長年、海で生きてきた漁師たちにとっても初めてみる、不気味な姿だったそうで」
貴音「ですが、食す為に開いた宴。誰も食べずに帰るなど、出来る筈はありません」
貴音「臆病者と、笑われてしまうからです」
7: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/23(月) 23:56:19.59 ID:ER4Gwd+AO
貴音「家に帰ると、寝ているはずの娘が起きていて」
『おっとう!おみやげはー?』ガバッ
P「!」ビクッ
8: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/23(月) 23:56:53.70 ID:ER4Gwd+AO
貴音「あの『珍しい魚』を、娘に与えてしまったそうです」
9: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/24(火) 00:00:37.25 ID:k16K/oYAO
貴音「与えた後になって慌てた男。しかし、娘の身体に何の変化もありません」
P「…」
貴音「そして、娘が成長し、父が死期を迎えて少し経ったある時、」
10: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/24(火) 00:01:12.13 ID:k16K/oYAO
―不老長寿
11: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/24(火) 00:02:57.18 ID:k16K/oYAO
貴音「あの『珍しい魚』を食べたその日に、娘は、不老長寿となってしまったのだそうです」
貴音「結局その娘は、時の流れるまま、何百年の時を生きた…」
貴音「という、遠い遠いむかしのお話です」
12: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/24(火) 00:03:34.66 ID:k16K/oYAO
貴音「続きは、また別の夜に―」
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