51: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/26(木) 23:50:31.07 ID:Hb2r216AO
貴音「さて次の朝、旦那が罠の様子を見、『罠にかかっていなかった』と、残念にしていたが、女房は知らんぷりをしていたそうな」
P「まぁ、自分が逃がしたーなんて言えねぇよな」
貴音「さて、冬場も近付き、山にさくりさくりと雪が積もり始めた頃、夫婦は里に降り、山の雪解けを待ったのだそうです」
52: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/26(木) 23:52:16.45 ID:Hb2r216AO
貴音「夫婦は、『また狸の悪戯か』と呟き、恐る恐る小屋の中へ入ると、驚きを隠せなかったのだそうです」
P「うん?また狸の悪戯か?」
貴音「ふふっ。いえいえ」クスクス
53: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/26(木) 23:53:27.03 ID:Hb2r216AO
貴音「旦那は、さっそく里へその絹を売りに行くと、飛ぶ様にその絹は売れました」
貴音「その噂は、里の長者の耳にも入り、有り得ない程の高値で売れたのだそうです」
貴音「その事もあって、夫婦の暮らしは随分と楽になったのだそうです」
54: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/26(木) 23:54:32.82 ID:Hb2r216AO
貴音「春先になり、夜風も幾分と暖かくなった頃、またまた狸たちが集まり、女房が糸を紡ぐ様子の真似っこをしたり、ぽんぽこぽんぽこ腹太鼓を打ったりしていたのだそうですよ?」クスクス
P「ははっ。狸たちも懲りないなぁ。また罠にかかっちまうぞー?」クスッ
55: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/26(木) 23:55:26.95 ID:Hb2r216AO
貴音「けれど、」
56: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/26(木) 23:56:38.83 ID:Hb2r216AO
P「うん?」
57: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/26(木) 23:57:41.23 ID:Hb2r216AO
貴音「ぽんぽこぽんぽこ腹太鼓を打ったり、おひつを引っくり返しはするけれど、」
貴音「旦那はもうワナを仕掛けようとは思わなかったそうな」
58: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/26(木) 23:58:50.57 ID:Hb2r216AO
貴音「おしまい」クスッ
59: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/27(金) 00:00:40.34 ID:O2TeuFDAO
貴音「さて、以前あなた様が『優しい話を聞きたい』と仰有っていたので、優しい話などを語らせていただきましたが、如何でした?」
P「うん。こういう人情…?」
P「…まぁ、いいや。人情モノはいいな。聞いててほんわかしてくる」
60: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/27(金) 00:01:41.48 ID:O2TeuFDAO
貴音「ふふっ。ところで、あなた様?」ナデナデ
P「うん?」
61: ◆ycDKV.3ZYU
2014/06/27(金) 00:02:36.49 ID:O2TeuFDAO
貴音「たとえ人成らざるモノであったとしても、あなた様は、その優しい…暖かい心を以て、接してくださいますか?」クスッ
175Res/47.52 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。