7: ◆.xKc9zwqNY[saga]
2014/06/24(火) 02:22:00.27 ID:I3aK4n380
亜美「はい、律っちゃんのグラス」
手渡されたグラスをあいまいな笑顔で受け取り、コツンとあわせる。
律子「……ふぅ」
8: ◆.xKc9zwqNY[saga]
2014/06/24(火) 02:22:43.06 ID:I3aK4n380
それなりに人気のタレントを何人か抱えるプロダクションの社長である私が手を出すのをためらうくらい高価なお酒を、亜美は関係ないもんねとばかりに注いでくる。
律子「ちょっ、亜美! あんたこれの価値分かってんの?」
亜美「買った本人なんだから知ってるに決まってんじゃん」
9: ◆.xKc9zwqNY[saga]
2014/06/24(火) 02:23:08.17 ID:I3aK4n380
律子「亜美、後悔してない?」
亜美「へ?」
らしくないついでに、ずっとずっと聞きたかったことを聞いてみることにした。
10: ◆.xKc9zwqNY[saga]
2014/06/24(火) 02:23:53.73 ID:I3aK4n380
何か珍獣でも見たかのような失礼な顔を浮かべる亜美に対して、私達の間ではもはや定番となっている少々怒気を孕んだ声で再度問う。
律子「だから、765プロを抜けて私に着いてきたこと、後悔してないかって聞いてるのよ!」
我ながら可愛げの無い女だ。そんな私を、嫌な顔をしないどころか笑顔で見つめる亜美。これではどちらが年上か分かったものじゃない。
11: ◆.xKc9zwqNY[saga]
2014/06/24(火) 02:24:23.82 ID:I3aK4n380
亜美「律っちゃん、不安だったんだね」
そう言いながら、私の頭をポンポンと撫でる。そう言えば、亜美が私の背を抜いたのはいつだっけ……などと関係のないことを思い浮かべながら、暫しの間亜美に頭を預ける。
12: ◆.xKc9zwqNY[saga]
2014/06/24(火) 02:24:55.62 ID:I3aK4n380
亜美「大丈夫。良いことも、悪いことも、律っちゃんと一緒なら全部いい思い出だよ。もちろん、765プロを一緒に抜けたこともね」
そう言って、私の頭上の手をそっと離す。
律子「あっ」
13: ◆.xKc9zwqNY[saga]
2014/06/24(火) 02:25:24.03 ID:I3aK4n380
いけない。思わず声が漏れてしまった。私の切なそうな声を聞いて、亜美はニヤニヤといやらしい笑顔を見せる。
亜美「おやぁ、律っちゃん物足りないって顔してますなぁ」
律子「ば、バカなこと言わないの。ボーナスカットするわよ!」
14: ◆.xKc9zwqNY[saga]
2014/06/24(火) 02:25:54.10 ID:I3aK4n380
亜美「うげー、鬼軍曹は健在かぁ」
律子「……その台詞もなんだか懐かしいわね」
亜美「あれ、そう言えば最近ずっと言ってなかったっけ?」
15: ◆.xKc9zwqNY[saga]
2014/06/24(火) 02:27:09.18 ID:I3aK4n380
亜美「あー、まああの頃はお互い必死だったもんね」
律子「そうね。私は思った以上に経営が上手く回らなかったし」
亜美「私は一からのスタートになっちゃったし」
16: ◆.xKc9zwqNY[saga]
2014/06/24(火) 02:27:38.09 ID:I3aK4n380
ああ、私ってこんなに弱かっただろうか。亜美の返す言葉など分かっているはずなのに、こんな試すような事を聞いてしまう。
亜美「……ていっ」
ビシッと今度は頭にチョップを入れられた。
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