過去ログ - 速水奏「シガレット・キスのあとに」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/24(火) 18:55:10.75 ID:MuStPCxt0

モバマスSS 

喫煙シーンがありますが、喫煙を助長するものではありません。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 18:56:57.17 ID:MuStPCxt0

仕事を終えて事務所に戻ると、そこには誰もいなかった。
鍵もかけずに全員が外出してるなんて・・・少し無用心じゃないのかしら、と心配になる。

今日はほとんどのアイドルは事務所にくる予定はない。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 18:58:08.22 ID:MuStPCxt0

屋上、と言っても本当に狭い場所ではある。
私達にとっては、たまに風に当たりたくなったときに休憩がてら訪れる程度。

しかし、彼がしばしばこの屋上に足を運ぶのを私達は知っている。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 18:59:28.14 ID:MuStPCxt0

私と目があった彼――Pさんは一度その火を強く光らせ、紫煙と共に短く息を吐いてから、私に向き直った。


「奏か。戻ってたのか」
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:00:30.43 ID:MuStPCxt0

「ちひろさんが買い物いったからさ、その間俺もちょっと休憩してただけだよ」


そういいながら、彼はスラックスのポケットから携帯灰皿を取り出して咥えていたタバコを入れた。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:01:27.48 ID:MuStPCxt0

彼は喫煙者だ。でも、毎日定期的に吸わないとダメっていうほど中毒にはなっていないみたい。

曰く、この業界で身につけた自分なりの武器(というよりもツール?)らしい。
TV局の喫煙所なんかで、有名な番組のスタッフさん達が喫煙してる輪の中に煙草を持って飛び込んでいくらしい。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:02:26.03 ID:MuStPCxt0

彼はとても話術に優れていて、人と親しくなるのがとても上手だと私も常日頃から感じている。
でも、その話術があっても実際に人と話す機会がなければ宝の持ち腐れになってしまう。

だから彼は、喫煙者の多い(私の勝手なイメージだけどね)この業界で、煙草を片手に人の集まる喫煙所に転がり込むのだ。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:03:05.27 ID:MuStPCxt0

「Pさんって、煙草を吸い始めたきっかけはなんだったの?」

「どうした急に」

以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:04:02.36 ID:MuStPCxt0

「俺が大学生の頃な。バイトしてたんだけど、二十歳の誕生日の日にバイトの先輩がくれたんだよ。『試しに吸ってみな』って」


そんな軽い感じだったのね...
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:05:20.52 ID:MuStPCxt0

「それなら、なんでこうやってたまに独りで屋上で吸ってたりするのかしら?」


好きじゃないなら、そういう場面以外では吸わないものだと思うけど。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/24(火) 19:06:03.37 ID:IB74Uz7rO
ブラックラグーンだったかのシガーキスはかっこよかったな


12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:06:07.94 ID:MuStPCxt0

「でも普段は全然吸ってないし、ホントに偶にしか吸ってないじゃん? もしかして奏はやめてほしいって思ってる?」

「そうでもないわ、私はお父さんが喫煙者だったから特に気にならないし」

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:07:00.99 ID:MuStPCxt0

Pさんが煙草を吸ってるのは何度かこうやってアイドルに目撃されてる。
別に彼は喫煙を隠してるわけじゃないし、他のみんなもPさんが煙草を吸ってるさっきの理由も知っている。

実は、Pさんが喫煙する姿は結構アイドルたちに影で噂になってるくらいだ。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:08:33.15 ID:MuStPCxt0

我ながら単純だと思う。いつも傍にいて私のために尽力してくれる優しいお兄さんのちょっと絵になる様を見ただけでワクワクしちゃうなんて。まるで恋する女の子みたいね。そんなの私のキャラじゃないってわかってはいるんだけど...

気になる異性にドキドキしてる姿なんて見られたくないから、私は普段のトーンを崩さない。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:09:44.86 ID:MuStPCxt0

助手席で気付かれないように彼を横目で見つめる。
運転してるときの真剣な眼差しを眺めることができるのも、ここに座ったときだけの特権だ。

横目に見る彼の唇は少し乾いている。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:10:55.93 ID:MuStPCxt0

時代の流れなのか、最近は映画でさえ喫煙シーンを見ることは少なくなってきたように思う。
昔見た映画で、ラストシーンに女が死んだ恋人の煙草に火をつけて終わる映画があった。
煙草も十分、その人を象徴するものと言えるんじゃないかしら。

以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:11:34.05 ID:MuStPCxt0

「ねぇPさん」

「どうした」

以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:12:19.70 ID:MuStPCxt0

「したくなったのよ、キス。いいでしょう?」

「煙草の味するだけだぞ、やめとけやめとけ」

以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:12:58.79 ID:MuStPCxt0

「まぁホントにキスしてっていうわけじゃないのよ、『シガレット・キス』って知ってるでしょう?」

「なんで年頃の娘がそんなの知ってるんだ」

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:13:36.95 ID:MuStPCxt0

「ねぇ、煙草出してよ」

「未成年の、それもアイドルに喫煙なんかさせてたまるか」

以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:14:24.77 ID:MuStPCxt0

「・・・こんなの見て何が楽しいんだか」

「楽しい、というよりはドキドキするの」

以下略



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