過去ログ - 速水奏「シガレット・キスのあとに」
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 18:58:08.22 ID:MuStPCxt0
屋上、と言っても本当に狭い場所ではある。
私達にとっては、たまに風に当たりたくなったときに休憩がてら訪れる程度。
しかし、彼がしばしばこの屋上に足を運ぶのを私達は知っている。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 18:59:28.14 ID:MuStPCxt0
私と目があった彼――Pさんは一度その火を強く光らせ、紫煙と共に短く息を吐いてから、私に向き直った。
「奏か。戻ってたのか」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:00:30.43 ID:MuStPCxt0
「ちひろさんが買い物いったからさ、その間俺もちょっと休憩してただけだよ」
そういいながら、彼はスラックスのポケットから携帯灰皿を取り出して咥えていたタバコを入れた。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:01:27.48 ID:MuStPCxt0
彼は喫煙者だ。でも、毎日定期的に吸わないとダメっていうほど中毒にはなっていないみたい。
曰く、この業界で身につけた自分なりの武器(というよりもツール?)らしい。
TV局の喫煙所なんかで、有名な番組のスタッフさん達が喫煙してる輪の中に煙草を持って飛び込んでいくらしい。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:02:26.03 ID:MuStPCxt0
彼はとても話術に優れていて、人と親しくなるのがとても上手だと私も常日頃から感じている。
でも、その話術があっても実際に人と話す機会がなければ宝の持ち腐れになってしまう。
だから彼は、喫煙者の多い(私の勝手なイメージだけどね)この業界で、煙草を片手に人の集まる喫煙所に転がり込むのだ。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:03:05.27 ID:MuStPCxt0
「Pさんって、煙草を吸い始めたきっかけはなんだったの?」
「どうした急に」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:04:02.36 ID:MuStPCxt0
「俺が大学生の頃な。バイトしてたんだけど、二十歳の誕生日の日にバイトの先輩がくれたんだよ。『試しに吸ってみな』って」
そんな軽い感じだったのね...
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:05:20.52 ID:MuStPCxt0
「それなら、なんでこうやってたまに独りで屋上で吸ってたりするのかしら?」
好きじゃないなら、そういう場面以外では吸わないものだと思うけど。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/24(火) 19:06:03.37 ID:IB74Uz7rO
ブラックラグーンだったかのシガーキスはかっこよかったな
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/24(火) 19:06:07.94 ID:MuStPCxt0
「でも普段は全然吸ってないし、ホントに偶にしか吸ってないじゃん? もしかして奏はやめてほしいって思ってる?」
「そうでもないわ、私はお父さんが喫煙者だったから特に気にならないし」
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