過去ログ - 勇者「これまでの冒険を振り返ってみたった」
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◆WnJdwN8j0.
[sage saga]
2014/06/25(水) 19:07:12.94 ID:+x8oQDtR0
魔法使い「バカでしょアンタ…何であんな死に方したのよ」グスグス
勇者「あちゃー。こっちから見てました、俺の様子?」
魔法使い「見てたわよ!あの後新しい魔王が即位して、アンタは僧侶ちゃんと一緒に魔王の監視を始めて、世界が前より平和になったわよね…。それで上手くやってたのに、どうして今更また魔王に喧嘩売ってこっちに来たのよ!」
勇者「そのー、隠居してたつもりが王様に見つかりましてー…それでこっちに逃げてきましてねー」
魔法使い「何でこっちなのよ!逃げる場所なんて世界中、どこにでもあったじゃない!」
勇者「や、まぁでも、キリがないかなって。それに限界だったしな、お前が恋しくて」
魔法使い「そういう台詞、さらっと言えるようになったのね…遅いのよ」
勇者「ははは、わりー」
彼の風貌は大分変わったけど、根っこの部分は変わっていない。こうして10年ぶりに会話して、よーくわかる。
魔法使い「残された人たちは、どうするのよ…」
勇者「大丈夫だろ。父ちゃん、あいつをヤワな子に育てた覚えはありません」
魔法使い「僧侶ちゃんは…」
勇者「レベルカンストの僧侶だぜ、新たな人生スタートしてもやっていける」
まさか気付いていないのだろうか、彼女が勇者に寄せていた想いに。
バカだこいつ、本当に激ニブのバカだ。
勇者「今の魔王、臆病だから、もう二度と人殺しできないだろうな。魔王にトラウマ植え付けてやったぜ、どうよ」
魔法使い「…悪趣味よ」
勇者「ま、これで世界は平和だろ、少なくとも今の魔王が生きている内は」
人にトラウマ植え付けておいて、よくもまぁサラリとそんなことが言える。
勇者「ところで、親父や他の皆はいるのか?久しぶりに会いたいな」
魔法使い「バカ。皆もうとっとと行っちゃったわよ」
勇者「えー、俺を待ってくれなかったのー。勇者ちゃんさみしー」
魔法使い「皆アンタのことばかりじゃないのよ、全く自意識過剰なんだから」
勇者「じゃあ魔法使いは俺のことばかりってことですかい」ニヤリ
魔法使い「…そうだって言ってほしいわけ?」
勇者「そりゃ、ま」
勇者「魔法使いは、俺の1番ですからね」
魔法使い「――――うん」
どうしてこっちに来たのか――そう責めた言葉は本音だ。勇者は自分のことなど気にかけず、もっと人生を謳歌すべきだった。
だけど本当はそれ以上に、嬉しかった。
勇者「…夢、ようやく叶うな」
魔法使い「そうね」
共に叶えたいと思った夢、それは互いに思っていたものだった。
これからは、この人と一緒にいたい――ずっと、ずっと。
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