過去ログ - 【ダンガンロンパ】苗木「ボクの恋人は>>2」
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178: ◆nn2xPKyinc[saga]
2015/02/06(金) 16:08:09.49 ID:goNgD3H40
苗木 「ごめん…もう一回…」

 セレスさんの言葉に動揺を隠せず、念のために確認しようと尋ねる。狼狽するボクに、セレスさんはにこりと涼やかな笑顔を向けながら言い放つ。

セレス 「耳の穴かっぽじってお聞きなさい」

セレス 「あなたの子供が欲しい」

セレス 「お解りになりまして?」

 解るけど、解ったけど。

苗木 「無理だよ!!」

 叫ばずにはいられず、大声で叫んでしまう。だって、子供が欲しいって、つまりはそういうことでしょ?!


セレス 「敗者が勝者の命令を無効にできるとでも?」

苗木 「うう…」

セレス 「わたくしもあなたの命令に従いましたのに」

苗木 「っ!! それはそうだけど、ボク達まだ学生だよ?!」

 言うのは簡単だけど、実際にことを起こせば退学だ。それに、育てることの責任だとか、今は負いきる自信も力もない。ボクひとりじゃない、セレスさんの未来に大きく関わる話だ。

セレス 「つまり、あなたはわたくしより、この学園を選ぶということですわね?」

 選ぶ選ばないと言われても…。簡単に答えを出すべき問題ではないと考えるボクは言葉を詰まらせる。

セレス 「わたくしが今、あなたにこうして自分の気持ちと決意を表すことに、どれだけプライドを捨てているのか解らないのでしょうね」

 セレスさんの表情に怒りが滲んだ。いつものはったりを利かせたわざとらしい怒りとはちがう。それを抑え込もうとしているのか、拳を固く握りしめている。
 はじめて見るその表情が、ボクに対する感情で動いているのだということに驚く。彼女らしくない彼女の姿に、胸が狭まるように苦しくなる。

セレス 「あなたはそれを汲み取れる人物だと思っていましたが」

セレス 「幻滅ですわ。見込み違いだったようですわね」

セレス 「先ほどのあなたからの申し出、良いですわ。受け入れてさしあげ……」

苗木 「待って!」

 ボクの横を抜けて、部屋を出ようとするセレスさんの腕を取って引き留める。

苗木 「どうしても今なの?」

セレス 「あなたがそうさせたのです。あの命令を無効にすると言い出すから」

苗木 「それは…ごめんなさい」

苗木 「まさかセレスさんがボクを…その…」

セレス 「ええ、好きですよ」

苗木 「!!」

 ボクが聴きたかった言葉。彼女の口から聴きたかった一番の言葉。苦しかった胸が、今度は跳ね上がり、体温と感情を上昇させていく。

苗木 「それならそうと、言ってくれないと解らないよ」

苗木 「ただでさえ、ボクは君によくない手段で恋人になってもらったんだから…不安なんだよ」

セレス 「わたくしの気持ちを察するのも、彼氏の務めでは?」

 語調や表情がいつもと比べると大分感情的になっている。こんな時だけど、ちょっと嬉しく思う自分がいる。

苗木 「察っしたいけど、セレスさんは出さな過ぎだよ…もう少し解り易く表情とか態度に表して欲しいな」

 掴んでいた腕を離しながら、今まで蟠っていた不安を打ち明けると、セレスさんは瞳を伏せて顔を反らせてしまう。

セレス 「……バカを言わないで」

セレス 「恥ずかしくてできるわけがありませんわ……」

 なにこれ可愛い……っ!

苗木 「……子供が欲しいって言う方が恥ずかしくない?」

セレス 「わたくしにとっては、そちらの方が何倍もマシですわ」


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