4: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:22:38.78 ID:xpCfEu5V0
勝は太郎の方へ向き直った。しかしどこか浮かない様子であった。
目線を外して下を向き、床に向かって言葉を漏らした。
「いや、途中から難しくなって……」
5: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:23:30.51 ID:xpCfEu5V0
しかし太郎は、勝の言ったある単語が引っ掛かった。
『いや、「途中から」難しくなって……』
つまり勝は猥本を持ってきていたのだ。
6: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:24:10.67 ID:xpCfEu5V0
「誰だ?」
端的な問いに、勝は「鈴木」とだけ言葉を返す。
その名前を聞くや否や、太郎はすくりと立ち上がると足早に教室を後にした。
7: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:25:06.76 ID:xpCfEu5V0
中学生はエネルギーの塊である。
若く、日々その熱量を持て余す彼らは毎日その捌け口を探しており、
溜まったエネルギーは何かしらの方法で発散させなくてはならない。
8: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:25:48.20 ID:xpCfEu5V0
では、そんな中学生からエロを取り上げたらどうなるか。
タダでさえ若きエネルギーが有り余っている所へ上記の相乗効果によって
他の場所も色々モリモリエネルギーを余らせ始めるのだから
9: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:26:32.16 ID:xpCfEu5V0
さて、ここからが負の連鎖の始まりである。
睡眠不足は授業への集中力低下させ、集中力の低下は学力の低下へと繋がってゆく。
若者の力が衰えれば、近い将来、国力の低下は避けられない事態になるだろう。
10: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:27:18.42 ID:xpCfEu5V0
さらに言えば、先程の例は人間の三大欲求、即ち『食欲』『性欲』『睡眠欲』のうち、
『性欲』と『睡眠欲』の実に二つもが踏みにじられている。
太郎は何かの授業で次のような言葉を習った。
11: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:28:02.70 ID:xpCfEu5V0
大体、鈴木も男なのだ。
男であれば、過去に自分が受けた苦しみが分からない訳でもないだろう。
例え猥本を見つけたとしても、「もう持ってくるんじゃないぞ」と注意すれば良い。
12: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:28:40.92 ID:xpCfEu5V0
職員室の扉を勢いよく開ける。
ズカズカと中へ大股で踏み込む。
鈴木はいる。自分の机に座っている。
13: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/06/28(土) 18:29:19.25 ID:xpCfEu5V0
「先生!」
怒鳴りにも似た声を鈴木の背中に浴びせかける。
だが鈴木は別段気にした様子もなく、
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