過去ログ - あずさ「露華」
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1: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:04:00.19 ID:GSr0EO5g0

眠れない夜。
窓を叩く雨の音と、時計の針が動く音だけが、真っ暗な部屋の中に響きます。

「もう23時……」

普段21時には床に着く私にとっては、こんな時間まで起きていたら明日の朝が心配になってきます。
けれど、心配したところで眠気はやって来ません。


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2: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:04:19.63 ID:GSr0EO5g0

仕方なく電気を付けて冷蔵庫から牛乳を取り出し、カップに注いで電子レンジで温めます。
できあがったホットミルクを口に運ぶ。

「はぁ……」
以下略



3: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:06:36.40 ID:GSr0EO5g0

もう何日もずっと雨。
空はずっと暗く淀んでいます。
だからかしら?
こんなにも、気分が薄暗くなってしまうのは。
以下略



4: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:07:03.61 ID:GSr0EO5g0

From:音無さん
Subject:何だか眠れなくて……

まだ起きてますか?
以下略



5: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:07:31.49 ID:GSr0EO5g0

たった一言、それだけが書かれたメールに、何故か心が軽くなっていくのを感じました。
私と同じっていうのが、嬉しいのかもしれません。

送られてきたメールに、すぐに返信を送る。
以下略



6: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:08:35.03 ID:GSr0EO5g0

To:音無さん
Subject:Re:何だか眠れなくて……

私も眠れなくて、まだ起き
以下略



7: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:09:26.62 ID:GSr0EO5g0

短めの文を打ち込んで返信。
メールが送信され、数分後、すぐに返事が返ってきました。

送られてきたメールに目を通します。


8: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:09:55.72 ID:GSr0EO5g0

From:音無さん
Subject:Re:Re:何だか眠れなくて

雨、本当に嫌になっちゃい
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/06/29(日) 22:12:00.06 ID:E7Bn9CmK0
期待


10: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:12:45.44 ID:GSr0EO5g0

どうやら音無さんも、この長雨に気が滅入ってしまっているようでした。

すぐに返事を返すため、携帯電話のボタンを操作します。
窓を叩く雨音と、時計の針が時を刻む音に、ボタンを押す音が混じり合います。


11: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:13:12.05 ID:GSr0EO5g0

To:音無さん
Subject:Re:Re:Re:何だか眠れな

分かります。気分も暗くな
以下略



12: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:15:12.78 ID:GSr0EO5g0

他愛のない話。
けれど、とても心地よい時間が流れています。
ホットミルクの暖かさと、音無さんからのメールが私に安らぎを与えてくれました。
振り続ける雨で鬱々とした気分が晴れていくような、そんな感覚です。
以下略



13: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:16:03.52 ID:GSr0EO5g0

From:音無さん
Subject:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re

あ、もうこんな時間!
以下略



14: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:16:48.55 ID:GSr0EO5g0

何だか気を使わせてしまいましたね。
すぐに返事を返しましょう。



15: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:17:46.74 ID:GSr0EO5g0


To:音無さん
Subject:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re

以下略



16: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:18:22.59 ID:GSr0EO5g0

送信ボタンを押して携帯電話を閉じる。
カップの中身はいつの間にか空っぽになっていました。
空になったカップをシンクに置いて、蛇口の水を入れておきます。

以下略



17: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:18:48.95 ID:GSr0EO5g0

From:音無さん
Subject:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re

遅刻が心配なので朝迎えに
以下略



18: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:19:17.58 ID:GSr0EO5g0


少しお茶目な内容に、思わず頬が緩んでしまいました。
あまり長くなっても悪いので、こちらこそおやすみなさいとだけ返して布団に身を沈めます。

以下略



19: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:20:07.87 ID:GSr0EO5g0



数個の目覚まし時計が、けたたましく鳴り響き朝を告げます。
眠い目を擦りながら目覚まし時計を止めて、布団から抜け出しました。
以下略



20: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:20:36.47 ID:GSr0EO5g0

「来ちゃいました」

いつも通りの素敵な笑顔がでそう言った音無さん。

以下略



21: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/06/29(日) 22:21:09.60 ID:GSr0EO5g0

「えぇ、やっぱり晴れてる方が気分いいですね」

そう話す音無さんの顔も、この空のように晴れ渡っています。

以下略



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