658: ◆7SHIicilOU[saga]
2014/07/05(土) 22:43:33.90 ID:Kp7eDxq/o
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次に目が覚めたのは白い部屋だった。
白いカーテンに白い壁と天井、白いシーツに消毒薬の匂い。
ぼやけた頭でもここがどこかは直ぐにわかった。
「病院……、か?」
右に左に視線をやる。
液体の入った透明の袋がぶら下がった金属の棒。
――あぁ、点滴されてるのか。
「やべぇっ、いま何時だ!?」
少しずつ明瞭になっていく思考で一番に考えたのはそれだった。
つくづく仕事人間だ。自分の腕を見るもののアイドルから貰った腕時計は無く。
「起きましたか……、他の二人はもう起きてますよ」
上半身を起こした状態で時計を探していると、
カーテンを開けて人が入ってきた。
「……双海さん?」
「どうも、娘がお世話になっています」
目を向けた先に居たのは、――亜美真美のお父さんだった。
「他の二人ってのは……」
「音無さんと千川さんと言う方です、
貴方のアイドルが119番通報してこちらに搬送されたのですよ」
そうかアイドルの誰かが……。
あの状態で他の二人ができたとも思えないし、妥当ではあるが。
よく気がついたものだ。いや、電話して出なかったから不審に思ったか?
「貴方達に話があります……」
深刻そうな顔をする双海さん。
勿論言われる事はわかっているが、俺は黙って頷いた。
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