過去ログ - 総合P「過労死必死」
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804: ◆7SHIicilOU[saga]
2014/07/07(月) 20:52:30.23 ID:3UO1W+bbo

―――そして

 リノリウムの床を歩く。
コツコツと靴と床がぶつかる音がする。
有体に言えば足音だ。

「よしよし、Angel'sの海外遠征は概ね成功だな……、
 DearlyStarsもそろそろSランクだし、海外の話も進めていいな」

 手元の資料を捲りながら歩く。
足音と自分の声だけが聞こえてくる。
――訂正、自分の足音と、自分の声だけが聞こえてくる。

 最近は、あのもう一つの足音が聞こえない。
あの日からだんだんと足音が遠ざかっていって、
やがて消えてなくなったのだ。

「ただいま戻りましたー」

 すれ違うアイドルと時折会話を交わしながら、事務室に戻る。

「ですから、どうして同じところを間違うんですか?」
「申し訳ない……」

 エアコンの効いた室内で、社長――否、元社長がピヨに怒られている。

「あ、また社長いじめてる」
「いじめてません!」
「ハハハ、またやってしまってね……。それと私はもう社長ではないよ」
「でしたね。……っと、ちっひ」
「はい?」
「DS組に海外遠征行かせようと思うんだけど、組んどいてくれる?」
「了解」
「あと、ピヨ」
「なにっ?」
「……ほどほどに」

 あの日から半年が経つ。
結局社長が戻ってきただけで人は増えていない。
律子やこのみを筆頭に一部のアイドル等
事務室勤務を望んだ者も居たが、俺が却下した。

 それでも晶葉開発のAIのおかげでずいぶん仕事は楽になったし、
こっち専門ではないが、アイドルも前以上に手伝ってくれるようになった。
少なくとも、月に二日は全休が取れる程には。

 と言ってもまだまだしんどいし、疲れる。
仕事が途切れる事無いし、書類が消えることもない。

 それでも、俺はもっと輝く皆を見る為に。
今日も過労死しない程度に必死に頑張っている。


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