過去ログ - モバP「表裏比興の三枚目」 -SS速報VIP

過去ログ - モバP「表裏比興の三枚目」

↓ 1- 覧 板 20

37: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/07/19(土) 03:09:27.87 ID:hCK80Cyso
『女性が嫌がっているように、私には見えるのでね。彼女を解放したほうが、お互い穏便に過ごせると思うのだが』

「調子乗ってんじゃねぇぞ、おっさんッ！」

　チンピラの一人が、私の胸倉を掴む。中肉中背でしかない私の体は、少し浮き上る。

以下略

38: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/07/19(土) 03:12:29.31 ID:hCK80Cyso
「な、なんだ……ッ！？」

　その大きな音に、チンピラたちは狼狽した。その音が何かを彼らは理解し、そしてその音が何者から発せられているのかを知る。

　即ち、音の主は、先刻の女性であり、その手に握る防犯ブザーが根源であることを。

以下略

39: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/07/19(土) 03:13:11.18 ID:hCK80Cyso
「だっ、大丈夫ですかっ！？」

　体勢を崩し、地面に倒れこみそうになっていたが、なんとか踏ん張ることが出来た。ただ、スラックスは少し汚れてしまったようだ。

　崩れたジャケットとスラックスを調えながら、私は立ち上がる。

以下略

40: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/07/19(土) 03:13:43.82 ID:hCK80Cyso
（なぜこんな、上物がこんな掃き溜めにいるのかは分からないが……）

　私がこの女性を助けに、まあ、結果としては失敗に終わったその行為を試みたのは、何も正義感からきたわけではない。九割がたは打算によるものである。

　とんでもない美人と、数分前の自分が考えたように、この女性は感嘆の声が出るほどの麗しい容姿と、あでやかな雰囲気を纏っている。

以下略

41: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/07/19(土) 03:14:36.83 ID:hCK80Cyso
（さて、これからどう攻めて行くか）

　可能性を見出したのは私である。捨てるなんてことをすれば、私が屑である、と認めることになる。それは、あの厚顔無恥な連中と同類だ。それは勘弁願いたかった。

『ところで、なぜこのような場所に？　お言葉ですが、ここはあなたの様な綺麗な人が繰るような、華美な場所ではないのですが』

以下略

42: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/07/19(土) 03:15:42.66 ID:hCK80Cyso
「あ、はい。どうぞ」

　私はその女性からチラシを受け取る。そして、一目見てそれが、見覚えのあるチラシであることを認めた。

　即ち、ほんの一、二週間前に小さな情報誌の付録広告に出した、我がプロダクションの広告である。

以下略

43: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/07/19(土) 03:17:45.13 ID:hCK80Cyso
『ええ、知りすぎるほどに知っていますよ。案内しましょう』

「あ、ありがとうございますっ」

　彼女はそう言って、笑った。一瞬、その表情が酷く扇情的なものに見えて、すぐに目を逸らす。どうも彼女は、天性の魔性を持つようだ。

以下略

44: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/07/19(土) 03:21:02.85 ID:hCK80Cyso
今回の更新は以上です。
目下の急務である就活が完了したので、週一での投稿が可能になりました。
ですので、次回の更新は来週のこの時間までには行いたいと思います。
それでは、ここまで読んで下さりありがとうございました。

45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/19(土) 03:25:37.62 ID:azxqTTeIo
就職おめ。俺もいい加減働かないとなあ･･･
こういうPは新鮮だわ。

46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/19(土) 06:30:53.32 ID:U87a++o60
このシリーズはＰも含めて只者がいねぇ

47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/19(土) 07:32:49.47 ID:LV5x0Xa7o
決まったのか、おめでとう
多少の余裕があるみたいで何より

296Res/223.95 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ