過去ログ - モバP「葡萄酒の香りに誘われて」
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4: ◆KVGFhiWeYqWl[saga]
2014/07/07(月) 15:38:19.44 ID:eAP+ZVJQ0

「戻ったわ」

 レッスンから帰ってきた志乃さんは上機嫌だった。トレーナーさんをいじり倒してきたのだろうか。

「ただいま帰りました」

 そう言って志乃さんに続いて楓さんが事務所に現れた。なるほど、飲む相手が見つかったから上機嫌なんだな。
 よく見ると二人ともじんわり汗をかいていて、正直とても色っぽい。デスクに向かって平静を装ってはいるが、心の内はリオのカーニバル状態である。この魅力を強く語りたい。
 カチンと音がしたので振り向くと、志乃さんと楓さんが飲み始めていた。
 小さい子が帰ってきたらやめてくださいねと言ったら

「はーい、子どもの前ではお酒は避けましょう…ふふっ」
「はーい、子どもの前ではお酒は避けましょう…んふ」

最後の笑いの部分だけズレたがきっちりハモってくれた。もう何度もしたやり取りである。
 そのあと、すっかり日も暮れて、昼間は賑わっていた事務所の中も静かになった。
 僕がキーボードを叩く音と、志乃さんと楓さんが新しくグラスにワインを注ぐたびにカチンとなる乾杯の音だけが存在感を出している。



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