過去ログ - 【スーパーダンガンロンパ2】天倉「俺はいったい何者なんだ?」【安価】【オリキャラ中心】
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2014/08/21(木) 09:54:22.96 ID:3alGzjRB0
干渉されないはずの私に、礼儀も知らない野蛮な一般庶民が声をかける。無礼な。この高貴な私に、何の断りもなく、しかも姿の見えない背後から声をかけるなど。そう梨花は思っていた。
「私だよ……? 梨華だよ……? 良かったぁ……ずっとずっと探していたんだからぁ……」
そう言った人物は、まるで縋りつくかのようにこちらの腕を掴んできた。そして、もう二度と離れないといわんばかりに、きつくその腕にしがみついていた。
ああ、そうか。そういえば、そんな子がいた。久住梨華(女子6番)という、金魚のフンのようなうっとおしい子がいたのだと。声をかけられて梨花が思ったことは、そんな何の感慨もない簡素なものだった。
「待ってなくてごめんねぇ……。ほら、間もすごく空いていたからさぁ、待ってるのも怖くて。あんな遅い時間に外出なんてしたことなかったし……。でも梨華……ずっとずっと梨花ちゃんのこと探してたんだよぉ……。だからさぁ、怒らないでね?」
何を言っている。誰がそんなことを頼んだ。このままずっと会わないまま、どこかで野たれ死にしてくれればよかったのに。どうしてこの金魚のフンは、いつもいつも高貴な私に縋りついてくるのだろう。うっとおしい。どこか遠くの知らないところへ行って、私の前から永遠にいなくなってくれればいいのに。梨花が心からそう願ったことは、これまでの人生で数知れない。
「梨花ちゃん……? もしかして怒っているの……? ごめんねごめんね……何でもするから……だから許してぇ……!」
「じゃ、ここで死んでもらえる?」
苛立ちの度合いがピークに達したとき、梨花は梨華に向かってそう吐き捨て、同時に掴まれていた腕を強引に振り払っていた。
「何でもしてくれるんでしょ? だったら、今すぐにここで死んで。そうでないと、私が家に帰れないから」
そう言った後、しばしの沈黙が流れる。肝心の梨華は、何を言ってるのか理解できないと言わんばかりの表情をしており、身体は完全に動きを止めていた。それはまるで、突然電池が切れたおもちゃのように、無様で滑稽なものだった。
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