21: ◆rNqPl/b1mU[saga]
2014/07/08(火) 21:47:22.33 ID:UgbF6gKZO
横尾『プレイヤーの運が良ければ、稀にある特定のモンスターとの接触イベントが発生することがあり、その際、モンスターとの契約が可能になる。モンスターと契約したプレイヤーは、全ステータスの大幅強化、モンスター固有の魔法の発動などといった、他のプレイヤーよりも抜きん出た絶大な力を手に入れることができる。それこそ、まだゲームに慣れていない初心者が、たった一人でフロアボスを簡単に倒せるほどの力だ』
クライン「マ、マジかよ……」
クラインのみならず、周囲のプレイヤー達も横尾の言葉に思わず声を漏らした。
絶対に手に入れてやる――、そういった意気込みが感じ取れる声が幾つも聞こえる。
さっきまで絶望感に飲まれていたあの雰囲気とは対称的に、希望や期待と言った感情が、人々の表情から読み取れた。
しかし、そうそう上手くいく話ではないと、次の横尾の言葉が証明してみせた。
横尾『ただし、 契約が成立すれば、プレイヤーはモンスターと運命共同体になる。これはつまり、モンスターが傷ついたり死ぬようなことがあれば、プレイヤー自身も傷つき命を落とすということである。それだけではない。契約したプレイヤーは代償として、自分にとって最も大切な身体機能を一つ失う。もちろん、その失った身体機能は、ナーヴギアの信号素子によって現実世界のプレイヤーの肉体にも反映される。例えば、契約によって聴力を失った場合、現実のプレイヤー自身に聴覚障害が起こり、失聴することになる。仮にこのゲームがクリアされ、ログアウトできたとしても、後遺症としてプレイヤーの肉体に障害が残る』
クライン「なっ…………何ィっ!?」
キリト「…………」
誰にも負けない強い力――。
確かに、このデスゲームで生き残るなら、誰もが喉から手が出るほど欲しいだろう。
だが、その対価として、自分の体の一部を差し出さなければならないとなれば、話は別だ。
そもそも、契約で手に入る力が一体どれほどのものなのか、横尾の言葉だけでは確証も得られない。
目で見て確かめられないのであれば、安易に契約に走るべきではないというのは、至極当然の考えである。
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