過去ログ - キリト「抗え、最後まで」
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8: ◆rNqPl/b1mU[saga]
2014/07/08(火) 01:20:34.33 ID:5FAp/yk20


横尾『しかし、充分に留意してもらいたい。諸君にとって、≪ドラッグオンドラグーン≫は既にただのゲームではない。もう一つの現実と言うべき存在だ。今後、ゲームにおいてあらゆる蘇生手段は機能しない。ヒットポイントがゼロになった瞬間、諸君のアバターは永久に消滅し、同時に諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊されるだけだ』


今、俺の視界左上には、細い横線が青く輝いていて、。その上に[342/342]という数字がオーバーレイ表示される。

ヒットポイント、すなわち、命の残量――。

それがゼロになった瞬間、俺は本当に死ぬわけだ。

マイクロウエーブに脳を焼かれて即死すると、横尾はそう言った。

確かにこれはゲームだが、ただのゲームではないということぐらい、俺以外の人もわかっているはずだ。

本物の命がかかった遊戯――つまり、デスゲームだということを。


キリト「……馬鹿馬鹿しい」


俺は低く呻いた。
 
そんな条件で、危険なフィールドに出ていく奴がどこにいると言うのか。

プレイヤー全員、安全な街区圏内に引きこもり続けることは目に見えている。

しかし、俺の、あるいは全プレイヤーの思考を読み続けているかのように、次の託宣が降り注いだ。


横尾『諸君がこのゲームから解放される条件は、たった一つ。先に述べたとおり、アインクラッド最上部、第100層まで辿り着き、そこに待つ最終ボスを倒してゲームをクリアすればよい。その瞬間、生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトされることを保証しょう』


俺とクラインを含め、全プレイヤーが沈黙した。

俺は、最初に横尾が口にした、「この城の頂を極めるまで」という言葉の真意をようやく悟った。

俺達を最下層に呑み込み、その頭上に99にも及ぶ層を重ねて、紅く染まった空に浮かび続ける巨大浮遊城。

この世界の全て――すなわち、アインクラッドである。


クライン「クリア……第100層だとォ!?」


突然、クラインが喚いた。

がばっと立ち上がり、右拳を空に向かって振り上げる。


クライン「で、できるわきゃねぇだろうが!! ベータじゃろくに上れなかったって聞いたぞ!」


その言葉が示す通り、1000人のプレイヤーが参加したDODベータテストでは、2ヶ月の期間中にクリアされたフロアはわずか六層のみ。

今の正式サービスには約10000万人がダイブしているわけだが、ならばその人数で百層をクリアするのに、いったいどれくらいかかるのだろう。

そんな答えの出しようのない疑問を、恐らくこの場に集められたプレイヤー全員が考えたのだろうが、さらに横尾は衝撃的な言葉を口にする。





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