過去ログ - 阿良々木暦「かなこエレファント」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/09(水) 18:53:19.73 ID:HorbTFBDO


003


ここで陳腐な表現ではあるが、時計の針を五時間ほど進ませてもらう。

僕は今、プロデューサー用に用意されたシンデレラプロ社宅の安アパートの居間で正座をしている。
向かい合うように机の上に置いてあるのは、昔撮った写真だ。
高校生時代の僕、ひたぎ、羽川、神原……ああ、あの頃は僕も若かったなぁ。
写真と比べると髪もだいぶ伸びた。
放っておくと橘あたりがうるさいからまた切らないとな。
それよりも教えておくれよ昔の僕。
僕はどうしたらいいんだ。

ちなみにアイドル用の社宅とはセキュリティも内装も雲泥の差だ。
いいところと言えば仕事場に近くて目の前にコンビニがある、くらいである。

今の僕の表情は、苦虫をミキサーにかけジョッキ一杯飲み干したような、と形容するのが相応しいと思われるだろう。
同時に膝の上に乗せた両拳の震えが止まらない。
顎部へと伝う冷や汗が静かにフローリングを濡らしている。

浅慮は無知と同等の罪だ。
知らなかった、考えていなかった、では許されない。
そして無意識とは言え犯してしまった罪から発生する罰の還るべき場所は、当の本人と相場は決まっている。
その時ばかりは、僕はうっかりしていた、と言わざるを得なかったのである。



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