過去ログ - 阿良々木暦「かなこエレファント」
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18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/09(水) 18:55:43.33 ID:HorbTFBDO

「今日は泊まって行くわ。よろしくね」

その一言で覚えていた筈の明日のスケジュールが全て吹っ飛んだ。

ひたぎをこちらに招いた以上は、そういう展開も考慮に入れておくべきだったのだ。
一応、僕のあるかもわからない名誉の為に言い訳をしておくと、決してひたぎに隠しておくべきやましいことがあってこんなに震えている訳ではない。

初めてなのだ。

ひたぎと一夜を共にする、なんてイベントは今までありそうで無かったのだ。

掃除は好きなのでこまめにやっているからいいのだが、何せ布団が万年床の煎餅布団一枚しかない。
つまり、そういうことだ。
当のひたぎは今、風呂場でシャワーを浴びている。

流れる水の音がやけに耳を打つ。
喉がひりつく。
動悸は激しく収まらない。
視界が点滅しているような錯覚を覚える。

いや、僕ももう子供ではない。
シャワーを浴びているひたぎの裸体を想像して興奮したりはしない。
ただでさえひたぎには初めて会ったその日にほぼ全裸を見せつけられた訳だから、その点だけは自信を持って言える。

しかし、どういうことだ?
もしかして僕はもう、ダイエットの過程で空腹のあまり野獣と化した三村に食い殺されているんじゃないのか?

じゃなきゃ、夢でも見ているのか。
述懐した通り、ひたぎはこのようなことをする女ではない。
さっきの三村と十時の件からも窺えるように、僕をからかうためには自分の恥をも厭わない彼女ではあるが、流石にこれはやり過ぎだ。

だって僕、男の子だよ!?
彼氏とはいえ男の、しかも独り暮らしの家に泊まるなんて……それって……。

あ、鼻血出てきた。
そうだな、とりあえずエッチな本は絶対に見つからない場所に隠さなきゃな。

「……お前様よ、いい加減心を落ち着けよ。儂まで落ち着かんわ」

「忍……」

僕がエロ本の移動先を模索していると、影から忍が呆れた様子で顔半分だけを出す。
なんだよ、こっちは必死なんだからな。



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