過去ログ - 阿良々木暦「かなこエレファント」
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/09(水) 19:01:22.23 ID:HorbTFBDO

「わかった……僕は覚悟を決めたぜ、忍」

「応、儂の主人の名に恥じぬ男気を見せるがよいぞ、主様よ」

風呂場の鏡に映る、幼女に後押しされてようやく踏ん切りを付ける男の姿は何処か悲しかった。

両手で頬を張り、刮目して風呂を出る。
さあ、決着をつけに行こう。

「あら、早かったのね」

「あぁ」

居間に戻ると、ひたぎはちょうど髪を乾かし終えるところだった。
寝間着姿のひたぎ。
何気に初見である。

話は変わるが、僕は他人の前でひたぎを褒めるということをあまりしない。
その逆もまた然りだ。
気恥ずかしいというのもあるが、惚気というやつが嫌いなのだ。
だが今日のところはひたぎさんをべた褒めさせていただこう。

ひたぎさん最高!

オレンジ色を基調とした蟹柄のパジャマもすげー似合ってる!

加えて風呂上がりの上気した肌色!

僕の彼女ってこんなに美人だったんだ……。
ひょっとして、いやひょっとしなくても世界一美人なんじゃないか?

ああ、僕はつくづく馬鹿だ。
こんなに可愛くて美人な恋人がいたというのに、八九寺や橘にセクハラをしたり、忍の脇腹で遊んだりして。
誓おう。
僕は金輪際ひたぎ以外の女性に必要以上に手を出したりしない!

「少し早いけれど、そろそろ寝ましょうか」

「おう!」

いつもの生活を思えば少しどころではないが、標準的には生物として眠りにつく時間帯だ。
標準最高。

「暦はソファで寝て頂戴」

「わかった…………ん?」

んん?
今なんか空耳が聞こえたような。

それはつまり、私は布団で寝るから僕はソファで寝ろという意図か?

「あの……ひたぎさん?」

「暦なら、ソファでも熟睡できるでしょう?」

いや、仮眠を取れる時に取っておかなければならない仕事上、何処でも眠れるのび太君体質にはなったけれども。

いやいや、そういう問題じゃないだろ。

「ごめんひたぎ、僕、耳が悪くなったかも知れない」

「まあ、それは大変。耳掃除してあげるわ」

「いや……そんなことより、さ」

「してあげるわ」

「ひた――――」

「恋人からの耳掃除、嫌なのかしら?」

「……いえ、して下さい」

結局いつものペースだった。
反論する暇もなく、言われるがままに正座するひたぎの太ももに頭を乗せる。



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