過去ログ - 【ジョジョ×とある】 とある奇妙な忘失世界 〜Lost THE WORLD〜
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811: ◆drmLS4k6lo[saga]
2015/04/29(水) 02:08:30.91 ID:t5bgrmAH0

当麻「広いなあ、流石は有名な博物館。歴史好きは一度は訪れたいって噂だけど、そうじゃない人間、例えばこの上条当麻とかでもワクワクと心が躍るぜ!」

建宮「現在は午後の二時を回っている。おまけにチャールズ殿に『エイジャの赤石』を渡さなくてはならないよな。
   この博物館の広大さでは、お前さんが今日中にすべてを見て回ることは不可能だと言っておくぞ」

当麻「うへえ、そんなに広いのかよ。あれ、他の奴らはどこいった?」

建宮「先に拠点の方へと戻らせておいた。心配せずともマッチョな兄さんも一緒に連れて行ったし、
   ちゃんと香焼に日傘を差させておいたから安心しておけよな」

当麻「そうか。向こうで一悶着が起こらないといいけど……。とりあえず、係りの人にチャールズさんの場所を尋ねてみようぜ。
   こうも広いと、自力で探し出すのは難しいだろうし」


当麻「そういえば建宮」

建宮「どうした?」

当麻「『エイジャの赤石』は霊装ではないって言ってたよな。それ、結局どういう意味なんだ?」

建宮「あー、まだそこの説明を終わらせていなかったのか。五和め、至福の時間とはいえもったいぶって話しすぎよな」

当麻「何? 五和が何だって?」

建宮「何でもないよな。それに、霊装ではないという理由も、至極単純な理由は話だ」


建宮「『エイジャの赤石』という鉱石は、伝説や神話には全く登場しない鉱石だからだ」


当麻「伝説や神話に、登場しない? でもさっき文献にしか載っていないって……」

建宮「ケルト神話にも、ギリシア神話にも、北欧神話やローマ神話、ヘブライ神話にも。
   とにかく、どの伝説や神話においても『エイジャの赤石』という単語は何一つ存在していないのよな」

建宮「霊装というのは、伝説や神話で行われた奇蹟を『模倣』するために似たような記号を投影させた物のことをいう。
   槍にまつわる神話の魔術を使う場合も、その槍自身は競技用の投げ槍でも代用できるということよな。そこに、神話上で描かれた奇蹟を乗せるのだから」

建宮「しかし、『エイジャの赤石』にはそれがない。
   何を模倣したわけでもなく、何を記号に組み込まれたわけでもなく、ただそこに“存在している”だけ。伝説も、神話も、何も生み出していない」


当麻「じゃあ、『エイジャの赤石』には魔術的な仕組みは一切施されていないってことなのか?
   なのに、魔力を生み出す性質を既に兼ね備えているってことになる」

建宮「正確には、それが本当に魔力なのかは分からないのよな。何せ、今まで『エイジャの赤石』は存在しないとされていた鉱石だし、
   そのため実際に誰かが試したという結果も残されていないわけだ」

当麻「そんなものがこうやってホイッと現れた、ということか……。土御門の奴、何が危険じゃない代物だ。
   十分通り越して百分な危険物品を押しつけやがって!」

建宮「そんな危険物品を持った上条当麻がイギリスに来日した、とその土御門元春から聞いたのだ。我らも背筋が凍ったよ。
   放っておいたら、間違いなく何かに巻き込まれるというのを悟るのに一瞬もかからなかったさ」

当麻「だから護衛についてくれたわけなのか。でも、そのおかげなのかこうして俺もコレも無事に大英博物館へ到着できたんだ。ありがとよ、建宮」

建宮「礼を言うのならば俺ではなく、天草十字凄教として言ってもらおうか。俺一人がしたことなど、たかが知れているよな」

当麻「でも、それを率いて現れたのがお前だろ? だったら、まずは建宮から礼を言うってのも筋が通っていていいじゃないか」

建宮「まだ早い、と言いたいのだ。『エイジャの赤石』を無事に送り届けるところまでを見届けたあとで、その礼は受け取ろう」


建宮「……気になることもあるしな」




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