過去ログ - 雪ノ下雪乃はあと一歩が踏み出せない
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/10(木) 11:40:35.57 ID:t0uOunGdO
そして、放課後。
部活を休みにするか迷ったのだけれど、いつも通り活動することにしたわ。
由比ヶ浜さんは補習で休みなので、この空間には私と比企谷くんの二人きりなのだけれど、彼も私もお喋りが得意な方ではないので、静かに読書をしている。好都合ね。
時折ページをめくる音の他は何もない、落ち着いた雰囲気。
比企谷くんもこの雰囲気に心地よさを感じてくれてるのだろうか?
…比企谷くんを見る。
…やっぱり、読書している時の比企谷くんは真剣な表情をしていてかっこいい。
…早く私の気持ちに、この好意に気づいてくれないかしら?
今まで数々の依頼を一緒に解決してきて、いつのまにか比企谷くんから目を離せないように、そして気がついたら好きになっていた。
ずっとそばにいたい、と初めて思った。
……ええ、比企谷くんにこんなに口が悪くて受け身な女は釣り合わないと分かってるわ。
もっと、比企谷くんには素敵な相手がいるはず。
だけれど、私にとっては比企谷くん以外にはあり得ないわ。
……"付き合ってください"の一言さえ言えない臆病な私には、叶わぬ望みね。
気づけば、部活の終わりが近づいていた。
ふう、姉さんのいたずらにも困ったものだけど今日は私の勝ちのようね。
比企谷くんの方を見ると、なぜか顔や耳を真っ赤にして俯いていた。
どうしたのだろう?気分が悪いのだろうか?
開いていた本を閉じ、片付けをする。
比企谷くんは動かないままだ。
雪乃「比企谷くん、時間も来たし部活は終わりよ」
八幡「…そうだな」
比企谷くんは素早く本をかばんの中につっこみ、席を立つ。
八幡「じゃあな、雪ノ下」
雪乃「ええ、また明日」
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