7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/10(木) 23:32:56.66 ID:F+qqrKIo0
「別に、お前が選んだ道だし、俺がとやかく言う必要はないだろう?」
「お父さんとお母さんは、一代で自分達のお店を大きくした。私だって、その位の事はやってみたいと思ってる」
「それで良いじゃないか、芸能界がどういう所か、俺には全く見当がつかないが、きっとお前の夢を叶える事が出来る場所だろう?」
「……うん」
「どうした律子。お前らしくも無い」
いつもの切れ味鮮やかな返しが無い所を見ると、かなり悩みは深いらしい。
「お父さんは、迷わなかったの?今の仕事を立ち上げた時」
「迷ったさ。失敗すれば無一文。あの時もう、律子は幼稚園だったし、賭けみたいな業務の拡大に手を出すのは控えるべきかと思った」
「でも、お父さんは決断した」
「ああ……それが俺の夢だったから。親父から受け継いだ今の会社を大きくして、社員の皆にももっと幸せになって貰いたい。だから俺は今、こうしている」
「……」
「なあ、律子。幾ら理詰めで人生過ごして行っても、最後は自分がどうするべきか、どう動くべきかってのは感覚で分かると思うんだ」
「感覚?」
「ああ。きっとお前にも分かる時が来るよ。感覚は大事だぞ?母さんとケッコンしようと思ったのがそもそもの感覚のお蔭でな」
「あなた、勘で私と結婚したんですか?」
律子の方に集中しすぎて、妻が近づいている事に気が付かなかった。
慌てて取り繕うような半笑いを浮かべて咳払いをする。
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