45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/12(土) 03:45:11.22 ID:w/26O5Id0
「ふぁっ……」
晴を優しく抱きしめる。痛くないように、でもなるべく隙間を作らないように深く、深く。
抱きしめた時に晴から吐息のような声が漏れた。それはいつもの快活な晴の声色ではなく、ただの女の子の声だった。
その声に胸がキュッとなる。クソッ、何でこんな、可愛いんだ。
「……晴」
彼女の名前を呼んでみる。たった二音のその名前が限りなく神聖で、果てしなく愛おしい。
名前を呼ぶだけでこんなに鼓動が高鳴るなんて、今まで経験もしなかった。
晴は俺の呼びかけに呼応するように、俺の背中にゆっくりと腕を回してくれた。
晴の細い腕に抱かれる。俺も更に深き抱き返す。晴の甘い匂いと体温が俺を包んで、晴しか感じられなくなっていく。
もう少しだけこうしていよう。晴が落ちつくまで、そしてこの安らかな幸福を目いっぱい味わう為にあと、少し。
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