過去ログ - 【SAO】アインクラッドでおっかなびっくり生きる 4 【安価】
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430: ◆GVCfHyzjmtRo[saga]
2014/07/15(火) 22:18:11.88 ID:92c0O3kQo

「アーテルさんは優しいですよね」

「そんな事は無いと思うが」

「いいえ、優しいですよ」

「私が初めてアーテルさんの前で武器を作ったときの事、覚えておられますか?」

「ああ、覚えている」

一昨日の昼ごろの事だ、Lv1で可能な範囲で装備を整え、スキルスロットにセットするスキルを選んだ後に、

初期装備のスモールソードを鋳直してインゴットを取り出して貰い、そのインゴットで曲刀を作って貰ったのだ。

出来た曲刀がイニシャル・シミター。

Lv2になった直後から装備出来たお陰で随分と世話になった一振りだ。

「イニシャル・シミターには助けられた、すぐに使えて有り難かったな」

「やっぱり優しいです」

「事実を言ったまでなのだが」

「私、アーテルさんに喜んで頂けて凄く嬉しかったんです。ですから後ろ向きな気持ちじゃなくて、むしろ前向きに考えたんですけれど」

「うむ?」

「客観的に見ればあの結果は大失敗なんですよね、そこから始めてみようかなって思うんです」

「後ろ向きではなく?」

「はい、後ろ向きな気持ちじゃなく、です」

「ついさっきアルゴさんを見送った後に作った曲刀も、偶然必要筋力値が筋力ぴったりだって喜んで頂けて私も凄く凄く嬉しかったんです」

俺が今腰に吊るしている曲刀、デディケート・シミターの事だ。

燃える様な赤みを帯びた、柄と刀身が一塊のシンプルで美しい一振り。

「でも客観的に見ればやっぱりあまり成功したとは言えないと思うんです」

「本当に後ろ向きじゃないのか?」

「はい、前向きな意味でです」

「俺にとってベストな一振りだったんだ。こう言うと青臭いかもしれないが、運命めいたものすら感じたんだが」

「そうだったんですか……本当に嬉しいです。私も運命みたいなものを感じてちょっと泣きそうでした」

「ならなんで成功していないという話になるんだ?あー前向きな意味で、か」

「それはですね、もうベストじゃないからなんです」



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