過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/13(日) 01:39:47.68 ID:ABky3MGk0
「……僕も」
 レッドは初めて、エリカの瞳を真正面から見つめた。
「僕も、なれるかな。そんなポケモントレーナーに」
「なれるかどうかは、この世界の誰にもわかりません。大事なのは」
 エリカは抱擁力がこもった声で、
「"なりたい"という意思があるかどうか。レッドさん、ポケモントレーナーになりたいですか?」
 レッドは目をつぶった。
『レッド、お前ポケモンバトルも弱いんだな!』
『レッド、少しはグリーンに言い返したらどうじゃ?』
『レッドくんごめんね。グリーンにはいつも言ってるんだけど……』
 強くなれるだろうか。
 もうあんな目で見られることはなくなるだろうか。
 ポケモントレーナーになれば、グリーンに勝つことができるのだろうか。
……いや、勝つことができるかどうかじゃない。
 自分は望んでいる。なににも変えがたい強さを。
 勝利の光を。
「……ポケモントレーナーになりたい。なって、グリーンに勝ちたい」
「はい。それでは、レッドさんはまずなにを始めますか?」
「もっとフシギダネの事を知りたい。ポケモンのことも、ポケモンバトルの事も」
「ええ」
 エリカが本当の意味で微笑む。
「その、エリカ、さん」
「はい?」
 レッドがフシギダネを抱え上げる。
「よかったら、少し教えてくれませんか? ポケモンのこと、ちょっとでいいんで」
「もちろん。構いませんわ」
 雨はもう止んでいた。



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