過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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105:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/21(月) 00:58:10.67 ID:r4w0sd270
 それを見ていたグリーンは倒れたまま動かなくなったガラガラに近づいていく。

「……」

 グリーンはポケットからげんきのかたまりを取り出したが、やめた。既に無駄であると気づいてしまった。

 その傍らには泣きじゃくって鳴き声をあげるカラカラが立ち尽くしている。

「悪いなフジ老人。このカラカラ頼む」

「あっああ。しかし君は……」

「俺もまだまだだ。あんな連中に手間取らなければ、こんな事には……マサラタウンのポケモントレーナーが聞いて呆れるぜ」

 グリーンはリザードンを戻しガラガラを抱えあげ、階段へ歩いていく。

「ま、待ってくれ。君のおかげで本当に助かった。礼を言う。君が来てくれなければ、もっと酷い事態になっていたよ」

「さあな。フジ老人、カラカラに後で伝えてくれ。世の中には辛いことがあってその度に泣くようなやつでも、何度も立ち向かって勝利を目指してくる奴がいる。自分を最強だと思ってた俺はそんな奴がいるとは気付かず、冷水を浴びせられた。情けねえ話だがな」

 グリーンは立ち止まる。

「つまりだ。辛くて認められないことがあっても、絶対立ち直れる。他人に助けられたっていい。色んな物に助けられたっていい。絶対立ち直るんだ。そうすれば前を向いて、また歩いていける」

 グリーンは腰のモンスターボールを見る。彼もまた旅を通して感じることがあったのだろうか。

「カラカラが立ち直ってるかどうか、また会いに来るぜ。バイビー」

 そうしてグリーンはガラガラを埋葬して去っていった。彼に依頼した町の住人のお礼も受け取らず、疾風のように。



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