過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/13(日) 21:33:55.60 ID:ABky3MGk0
 ニビシティ。そこではニビ科学博物館で宇宙博覧会が行われており、多くの観光客や研究者が訪れている。
 
 またニビシティにもトキワシティと同じくポケモンジムがあり、代々岩タイプを司るジムリーダーが訪れるポケモントレーナーの挑戦を受けていた。

「……ふう」

 ここはニビシティジムリーダーの事務室。

 普段は多くの関係者が出入りし、隣接するバトルスペースには多くの掛け声やポケモン達の咆哮が響く場所だったが、今はガランとして静かで、一人の男のため息だけが漏れていた。

 コン、コン。

「はい」

「入るわよ、タケシ」

「カスミか」

 ニビシティジムリーダータケシはデスクで片付けていた書類を置き、同業者であるハナダシティジム所属のカスミを出迎えていた。

 タケシは茶色いTシャツに緑のズボン、カスミは丈の短いTシャツとショートパンツのへそ出しルック。互いにかしこまった関係ではないことが見て取れる。

 ハナダシティはニビシティと隣接しており、またカスミはタケシはと歳が近いこともあって、ポケモンの事を話すことは少なくなかった。

 二人の間の空気は静かだった。

 タケシは元来口数が多い方ではなかったが、今日は一段と寂しげな雰囲気を纏っており、カスミもそんなタケシを認めながらもさして興味なさげに人のいないジムを眺めていた。

 カスミはただの広い空間になったジムの天井を見上げ、声を響かせる。

「本当にやめるのね。ジムリーダー」

「ああ、明日がニビジムの、いや、ジムリーダータケシの最後の営業になる」

「ふーん。代わりの人はすぐ来るの?」

「もうポケモン協会の方が新しいジムリーダーを選定しているそうだ。長くても一週間もすれば新しい人間が来るだろう」

「そう、一週間ね。その間旅のトレーナーは待ちぼうけってわけ」

 カスミの語気は強くない。ただ事実を言っているだけだった。

「俺を止めに来たわけじゃなさそうだな」

「そりゃそうよ。止める理由がないもの」

「……そうだな」


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