過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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363:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/27(水) 00:17:57.16 ID:DuvLgYc80
――初めてのポケモンリーグ、緊張してる?

「そりゃあもう。7万人を収容する大スタジアムで行われるなんて、初めて聞いた時は冗談かと思った。過去のリーグもテレビで見てきたけど、いつもバトルに夢中で……。トレーナーの方やスタジアムがどんな雰囲気かなんて、想像もできない。だけど、いざバトルになれば大丈夫だと思います。ポケモンの皆がいるから。

 初めてニビジムに挑戦しにいったときも、緊張して夜遅くまでトレーニングしてたんです。いざジムに入ったら観客の方がたくさんいて、凄いところに来てしまったと緊張しきりでした。でも、バトルが始まったら関係なかった。いつも以上の力を出せたし、逆にポケモンに引っ張ってもらった。それ以降は、他のジムでの戦いでも大丈夫でした」

――ポケモンが一緒にいると緊張がほぐれる?

「間違いないですね」

――ポケモンリーグを意識し始めたのはいつだった?

「……いつだろう。思い返してみれば、これといったきっかけはなかったかもしれません。最初はとにかく勝ちたい相手がいて、次はジムを順々に巡っていこうと思っていたのは間違いないけど、リーグを意識したのは……クチバジムあたりかな」

 彼の旅はマサラタウンからスタートしている。彼が訪れたときトキワジムは休業中だったため、クチバジムはバッジ3つ目のジムになった。

――クチバジムは特別な戦いだった?

「ジム戦はいつでも特別ですね。だけど、うん、確かにあれは特別だった。ジムの観客席に町で知り合った年下の子達がいたんですけど、彼らにバトルが楽しいってことを知ってもらいたくて。バトルが終わった後に、その子たちと約束したんです、俺はカントーで一番になって有名になるから、君たちもポケモントレーナーになって名を挙げて、そしてその時また会おうって」

――チャンピオンを目指すのはその子たちとの約束のため?

「ええ。でも他にも理由は……そうだな……。……勝てそうもない相手でも、ポケモンたちと力を合わせればなんとか勝つことができた。それが本当に嬉しかったし、素晴らしい相手とのバトルは楽しくて仕方がない。だから自然とここに来たんだと思います」

――戦いのスタイルについて聞きます。君の登録メンバー編成にはどんな意図が?

「強いて言うなら、一番信頼できる。お互いの呼吸と考えがわかっているし、いつも一緒にトレーニングしてきたメンバーを選びました。一応タイプ相性も考えてきたけど、皆付き合いが長い仲間達ですね。リーグが終わった後も、多分変わらない。

 ひこうタイプが多めなのは偶然ですけど、問題だとは思っていませんね。岩や電気があいてならガラガラで受けられるし、氷タイプは水との複合が多いからフシギバナでも五分に戦えるし、ギャラドスもそう。手持ちにないタイプについても、そこはポケモンたちの技である程度はカバーするようにしてます」

――実は君の過去の公式戦ビデオを集めた時、タマムシジムとトキワジムだけは手に入らなかった。書面の記録は残っているが、どんな戦いだったのか教えて欲しい。

「特段、変なことはなかったですよ。他のジム戦と同様、すさまじいギリギリの戦いでした。タマムシジムについては、俺のフシギソウとエリカさんのクサイハナとの一騎打ち。草タイプの扱い方についてはエリカさんの方が一枚も二枚も上手で、

 クサイハナは粉技ややどりぎ、メガドレインでで優位に立ち、フシギソウは力押しするしかなかった。でも最後はソーラービームでなんとか……フシギソウ自身が頑張ってくれたことが大きいと思います。

 トキワジムについては、すいません。俺自身心のなかで整理がついてなくて。これについてはリーグが終わったら、話したいと思います」

――旅の中で、多くのポケモンとトレーナーに出会った。一番君を変えてくれたのは誰かな。

「タマムシジムでジムリーダーをしているエリカさんです。マサラタウンで初めてであった時にトレーナーとしての心得、フシギダネとの付き合い方を教わりました。

 彼女の凄いところは、ポケモンの持つポテンシャルを引き出すだけでなく、時に引き、時に激しく攻めるスイッチの切り替え方が抜群にうまい。あの日出会えたことは、本当に幸運でした」

――ありがとう。では最後に、リーグへの意気込みを聞かせてくれるかい。

「ありままの自分と仲間達で、立ち向かいたいと思います。楽しんで、そして勝ってきます」

 笑顔で去る少年の纏う雰囲気に、悲壮感や作られた感情というものは一切感じられない。

 自然体で正直な彼が、共に旅をしてきたポケモン達とどのような関係にあるか、わざわざここで書く必要もないだろう。

 8つの胸のバッジが導いた扉の先で、彼はどんな戦いを見せてくれるのだろうか。

 一つ言えることがある。彼はきっと、大舞台でほほ笑みを浮かべ、高らかに宣誓するだろう。

「マサラタウンのポケモントレーナー、レッド!」


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