過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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374:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/30(土) 14:01:39.70 ID:Y1rPXhWF0
 セキエイ高原ポケモンリーグスタジアム。

 その一室、出場ポケモン用に設けられた最後のトレーニングスペースで、レッドは6体のポケモンを出して円を作るように佇んでいた。

 メンバーはレッドの左からピジョット、ギャラドス、ラッタ、バタフリー、ガラガラ、そしてフシギバナ。

 ここを出た先にはバトルスペースへ続く通路があるのみ。既に観客たちの歓声と高らかに興奮を煽る場内アナウンスが響いている。

 レッドは直立不動のまま腕を組み目をつぶっていた。その心境は意外と静かだった。

(勝てばリーグチャンピオン。だけど、この緊張感のなさはなんだろう)

 レッドは目を開けてポケモン達を見渡した。皆緊張しているようには感じられず、気性の荒いギャラドスですらリラックスした顔つき。

(勝ちたい。その願望はある。皆一緒の想いだろう。それなら、俺が最後に皆に伝えるべきなのは……)

「皆。俺達がここにこれたのは、皆の一つ一つの頑張りがあったからだ。うれしい時も苦しい時も皆で分かち合い、その結果輝く素晴らしい舞台に立つことができた。俺は、皆を誇りに思う」

 レッドは笑顔で皆の顔を見渡す。

「いつも通り全てを出しきるだけだ。今日は目一杯楽しんで、勝とう。皆で一緒に」

 レッドはピジョットの頭を撫で、ギャラドスの頬を撫で、ラッタとバタフリーの頭を撫でる。そしてガラガラと拳を突き合わせ、フシギバナと額を合わせた。

 また皆を見渡せるように距離を取り、帽子をかぶり直す。

「行こう、皆!」

 ポケモン達が一様にレッドに頷く。以心伝心の仲間達をモンスターボールに収め、レッドはトレーニングスペースを後にする。


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