過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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422:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/21(日) 19:15:14.21 ID:Z03kpI3k0
 玉座の後ろにはレッドの腰の高さの立方体の機械があり、その上部には綺羅びやかに装飾された6つのくぼみがある。

「さあチャンピオン。共に戦ったポケモン達を、ポケモンリーグの歴史に永遠に記録しようではないか!」

 レッドが頷く。そして一つずつ、仲間達が入ったモンスターボールをくぼみに当てはめていく。

「ピジョット」

 優美なる大鳥。

「ギャラドス」

 勇気ある昇り龍。

「バタフリー」

 不撓不屈の蝶。

「ガラガラ」

 冷静なる戦士。

「ラッタ」

 根性の疾風獣。

「フシギバナ」

 全てを共にした相棒。

 最高の仲間達がスクリーンに順々に姿を表わしていく。

 そして最後に映し出されるレッドの姿。気づけばステージを囲むように多くの観客が席を離れて詰めかけてきている。

 タケシが微笑みながらレッドへサムズアップする。マチスがだいすきクラブの会長と肩を組んで体を揺らしてなんか歌っている。

 キョウはレッドと目を合わせると微笑み、そしてすぐに身を翻して姿を消す。隣にいたアンズはレッドへ賛辞を叫ぶのに夢中でキョウが姿を消した事に気づいていない。

 カツラとフジ老人が拍手しながらレッドに頷く。ナツメが拍手しながらときおり目尻の涙を拭う。

 あの人は、カスミに伴われていた。いつもの優雅な和服姿、しかしカスミに急かされながらも顔をあげようとしない。

 レッドが名を呼ぶと、体をびくりと震わせた後、ハンカチで目元を拭いながらゆっくりと顔を上げた。

「……おめでとう、レッドさん」

 涙で濡れている頬、震えている唇。だがレッドが今まで見た中で、一番のエリカの美しい笑顔。

「ありがとう」

 殿堂入り装置の機械が光った。殿堂入り登録とともにポケモンの回復が終わった合図だったようだ。

 そして全てのモンスターボールにポケモンの出現信号が送られ、レッドの回りを囲むように仲間達が現れる。

 そのタイミングでオーキド博士からポケモンリーグトロフィーが授与される。

 鳴り響く歓声。優勝者を称える荘厳な音楽。笑顔で各々叫ぶポケモン達。

 レッドは仲間達を見渡し快心の笑みを浮かべたあと、トロフィーを両手で持ち、頭の上へ掲げた。


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