過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/20(日) 01:43:50.42 ID:Ne1PSPPI0
 クチバシティジム、そこは電気ポケモン達の館。

 ゴミ箱に秘められた電磁ロックを解き明かした先に待ちかまえるは、ジムリーダーの中でも屈強な経歴を持つアメリカン。

(元軍人……一体どんな……)

 レッドの短い人生経験では想像もつかない。文字通り命をかけて戦場を駆けたポケモントレーナーが、レッドの実力を量るために待ち受けているのだ。

 目に見えぬプレッシャーに耐え、ゆっくりと扉をくぐる。そこには……。

「ヘーイ! コン、ニチハ! ミーがここのジムリーダーのマチスね! プアリトルボーイのチャレンジャーでもぉ、フゥルパワーネェ!」

「……は?……はい……?」

 迷彩服の上からでもわかる分厚い胸板に大柄な体、四方に尖った金髪にいかつい顔。その全てに似つかわしくないハイテンションな笑顔で、マチスはグッと拳を突き出したポーズでレッドを歓迎した。

 だいすきクラブの会長から聞いた話から、もっと厳格な壮年の男性を想像していたのだが……。いや、見た目は割りと想像通りだが、纏う空気が斜め上に行っている。

「オー、あれは……」

 マチスが観客席を見て目を細める。レッドも気づいた。ポケモンだいすきクラブの会長と大勢の大人達、そしてレッドに以前話しかけてきた二人の子供もいる。

「お兄ちゃーん!」

「頑張ってー!」

「ああ!」

 はしゃぐ子供と笑顔で応えるレッドをよそに、他の大人達は皆一様に渋い顔だった。会長がどう言って連れてきたのかは知らないが、彼らはこの状況が面白くないのだろう。

「マチスさん」

「オー! ソーリーネ! ユーとのバトル、ミーもとっても楽しみネー!」

「はい、俺もです。一つ聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」

「モチロンネー!」


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