14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/15(火) 18:38:32.65 ID:eOhLbTZvo
「そんな、やだよー」
ミナはびしょ濡れのまま取りすがってくる。
「絵本よんで。お歌うたって」
孫娘の手の湿り気から退避しながらヘレナは首を振った。
「いいやならん。今日は絵本も子守歌もなし」
ミナを叱るのには普通に怒声を上げるよりもなぜかこちらの方が効くのだった。
ミナも風車の軋みが嫌いらしい。
ヘレナと違って怖いからというのがその理由らしく毎晩絵本を読んだり子守歌を聞かせてやらないと眠れない。
夜をどうしのぐのかはミナにとってかなり重要な事項のようだった。
晩飯抜きなどよりもよほど効くのがいまいち理解しがたいところだが。
「わかったからぁ、ちゃんと探すからぁ……」
ほとんど泣き出しそうなミナの様子にヘレナはこっそりほくそ笑んだ。
「本当かい? 一生懸命に探すかい?」
「探す!」
「嘘じゃないね?」
「ない!」
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