2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/13(日) 22:01:12.23 ID:7G5TlUsCo
老魔女ヘレナは不機嫌だった。
もともと気難しい性格というのも大きいが、他にも理由はあって一つ一つ挙げていけばきりがない。
住居にしている風車小屋の機構がうるさくてよく眠れていないのもあるしこの頃腰やら肩やらが痛むのも気に入らない。
目が弱ったせいで本を読むのにも苦労しだすとイライラは最高潮に達した。
まあ要するにヘレナも年を食ったということだが。
(まったく、ババアになんざなるもんじゃないね)
そう毒づきながらも一応まだまだ背筋はしゃんとしていてつかつかと速足で廊下を進んでいる。
「ミナ! どこだい?」
ドアを開け放って孫娘の名を呼ぶとどこかで「はぁい」と声がした。
外の景色を視界から追い出ししばらく瞑目。数を数えて待つ。
パタパタと足音がしだしたのは五を数えたあたりで、べしゃっと音がしたのは七、「いたぁい……」とぐすぐすやる声がして十五で目を開けると服の前を汚したまだ幼い少女が立っていた。
「お婆ちゃん、転んだ……」
「そうかい」
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