34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 18:22:06.35 ID:TmyX6+Eao
小さい頃は町住みで猫を飼っていた。
その頃は自分も人並みに明るい性格で笑顔もそれなりに上手だったように記憶している。
人と自分がどこか違うと感じるようになったのは猫がすっかり大人になったあたりで、みんなと同じように物を考えることがいつの間にかできなくなっていた。
人はどこか変わってしまった自分から次第に離れていった。
両親が夜、自分のことでなにやら深刻に相談をしているのを聞いてしまってからは両親を頼ることもやめた。
一人で過ごす時間がとても多くなった。
そのこと自体は苦痛ではなかったが一人でいるところを人に見られて、つらそうだな、と思われるのは癪ではあった。
だから暇なときはもっぱら家の屋根にいた。
そこから見る夕焼けは綺麗だった。
その感動を誰かと共有できないことだけは悲しかった。
猫だけはそばにいてくれた。
何も言わず横に座っていてくれた。
言葉は交わせないまでも人間よりもこちらの気持ちを分かっているように思えた。
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