過去ログ - ひよっ子魔女とその師匠
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/14(月) 17:53:49.55 ID:PeQPCDngo

 魔女は魔法とともにある。
 ……などと下手に大仰な言い回しは気に食わない。ヘレナは常々そう思っている。
 そもそも自分たちが『魔女』と呼ばれるのは魔法と切り離せない関係にあるからであって、分かり切ったことをわざわざ繰り返す必要はないのだから。

 そういうわけで魔女にとって魔法はとても身近なものだ。
 それを一言で言い表し誰かに説明するのは難しいが、苦労するのは魔女でない者に魔法を理解させることであって魔女自身は理解しすぎなほどに理解している。
 赤ん坊は自分の手足を随意に動かせる理由を説明できないが、誰よりも自分の手足を把握しているのと似ているといえば似ている。

 魔法はこの世の不思議そのものだ。
 一言で説明するのはもちろん難しいのだが、ひどくぶっきらぼうかつ簡素に、そして浅慮に表現するとこうなる。
 ただし巷に伝承する火をおこしたり空を飛んだりするものとはひどく様相が違っている。
 魔女が呪文を唱えることはない。箒にまたがることもない。
 薬を調合する魔女はいるが別に媚薬毒薬万能薬を作ったりはしない。

 魔女はただ魔法の隣にいるだけなのだ。
 普通の人間よりも魔法に近いその場所に。



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