過去ログ - 「なんてこと……なんてことしやがる……ッ!」
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14:おじさん ◆nlCx7YJs2Q[saga]
2014/07/14(月) 00:38:24.94 ID:4ENc1A5go





「お父さん、おなか減った」

「……だからなんだ?」



 娘が生まれてから、彼にとっては初孫になるが、やたらと笑顔が増えたものの、私の内にある父の記憶はこんなものだった。

 彼は口数少なく、気難しい、怖い人だ、そんな記憶ばかりだ。



「お母さん出かけちゃった。ご飯どうしよう?」

「……ふん」



 冷蔵庫の中にはめぼしいもの、パンや惣菜のようにそのまま食せるような物は無く、材料があるのみ。
否、私は知っていた。戸棚の中にはインスタントラーメンがあることを。

 とはいえ、当時の私に、それを調理して食す、という考えは無い。

 火を使うことは厳に禁じられていた。
つまりこれはある種恐怖の対象でありながらも心強い保護者である父に対した遠まわしなおねだりだったのだ。




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